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(回答先: Re: 「恐慌論」 投稿者 さる人 日時 2002 年 11 月 21 日 15:56:46)
「さる人」さんへ。さっそくのレスどうも。多謝。まあ、おっしゃりたいのは、宇野理論に興味を持つのは「団塊の世代」「全共闘世代」だろう、ということでしょう。団塊＝段階論というわけでもないでしょうが。（下手な語呂合わせで失礼）。
まあ、今の若い世代で宇野理論などに興味を持つ人は、あしゅらさんのような博覧強記の人を除いて皆無でしょう。そのあしゅらさんもどこかで４０代前半だと匂わせていたようですので、若い世代とは言えないかも知れません。しかし、新田滋さんという３０代の研究者が宇野理論をベースにした「恐慌」論を発表し、その一部は情況出版というところから出ていますので、最近の宇野エコールの成果を読みたい方はどうぞ。そういえば、このサイト、特に「戦争」板常連の木村さんが告知していた１２月７日（だったと思いますが）に都内で開かれるシンポジウムには、岩田弘氏ら宇野系の恐慌研究者が勢揃いするようですね。
小生は知識としては宇野理論もマル経も興味はありますが、まったくマルキストではありません。どういう理論が世界を一番うまく説明できるか、に興味があるだけです。マル経も陰謀理論も「等価」と考えています。（ただ、つい昔の名残りが出て、国粋主義者やすぐ他人を非国民というような人々は嫌いなだけです。＝かっての非ヤングさんや、アカシックレコードの佐々木聡さんらです。もっとも佐々木さんは、国粋主義というよりは、京大の高坂教授仕込みの「国際政治は冷徹なリアルポリティックスだ」というような立場のつもりなのでしょうが。まあ、キッシンジャーの日本版をめざしているのでしょう。それはそれで、一向にかまいませんが、小生は何らそういう言説に興味がない、というだけのことです。＝
「さる人」さんの言うように、世代間ギャップの大きさは大きな問題ですが、変化のスピードの速い現代では、どうしようもないでしょう。中国なと日本以上でしょう。６０年代には、何というか、コンミューン原理主義者のような紅衛兵が暴れ回っていたのに、いまでは、資本家、経営者も共産党の重要な構成要素だ、というのですから。中国らしい「プラグマチスズム」の極限ともいえますが、世代間ギャップは恐らく、想像を絶するものがあるでしょう。現下のわが国の恐慌寸前ともいえる大不況がなかなか克服できないのも、ひとつは、かっての岩田理論のように（結局はまやかしとバレても）、一時、かなりの人が「これがソリューションだ」と思い込む理論がないせいもある、と思います。木村剛あたりでは、理論の間口が狭過ぎます。
ついでに、これはもうだれかが言っている、とは思いますが、「時価会計というのは、カジノ資本主義、ラスベガス資本主義で、世の中は絶対に安定しない」ということをもう少し声高に言う必要があるように思います。つまり、時時刻刻、資産額が変わるわけですから、「不変なもの」がなくなります。しかも、メディアの発達で、ルーマーにしろ、事実にしろ、瞬時に世界を駆け巡り、これがレバレッジを働かすわけ（ここでは心理的な意味でのレバレッジを言っています）ですから、数年前の東南アジアの通貨危機のように、せっかく溜め込んだ「余剰金」が。一夜にしてソロスらにかっさらわれる事態がいつでもおきるわけです。ＢＬ、ＢＳが投資家の投資行動の決め手となれば、エンロンやワールドコムのように、数字をよくするために、ラニングコストを研究開発費の費目に立てて「繰延資産」扱いによる節税まで考える企業が出ても、何の不思議もありません。ＩＲなんて言っても結局は、決算数字が全てですから。この時価会計をひとつの核にしたグローバル・スタンダードはまもなく行き詰まる気がします。しかし、かっての額面主義に戻せばいいか、というと、それでは、海外の投資家が日本に投資しなくなる、というネックがあります。日本特有の企業業績評価制度では、言葉の問題もあって、海外の投資家には、投資に適か不適かが判断できないわけです。
しかし、ここ数日の銀行議事バニックなどは、時価会計によるところが極めて大きい、と思います。ちょっと「国家破産」板向けの投稿のようになりましたが、Ｄ-ｄｏｇさんら「国家破産」常連投稿者の意見も聞きたいものです。「国家破産」板で（小生の意見とはちがっていてもかまいませんので）、ここで述べたような視覚からの提起をしてくださる方の出現を期待します。小生では、ここで述べた程度の知識しかありませんので、ちょっと、専門の方々のディベートのコーディネーションはしんどいためです。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。