現在地 HOME > 掲示板 > Ψ空耳の丘Ψ24 > 932.html ★阿修羅♪ |
|
ファンダメンタリスト
--------------------------------------------------------------------------------
ファンダメンタリストとは、一言で定義するならば「教義を完全に信ずる人」とでもなるだろうか。キリスト教で言うならば「聖書は絶対に正しい」と信じて疑わない人のことである。彼らは、聖書に書いてあることがどんなに科学的に不合理でも、種々の自然界の法則に反していても、信じる。ところが、彼らの主張の多くは、論理学的には間違っていない。彼らの主張の論理学的解析は、彼らの考えを読み解く上で重要であるが、我々は彼らの推論に同意する必要はない。いかに相手の論が正しそうに見えても、「私にはついていけません。」「常識的ではない。」と一言で片付けてよい。
先日、「ジャンヌ・ダルク」という映画を見た。内容の深い、興味深い映画であったと思う。前半のジャンヌの活躍よりも、むしろ後半の“神”によってジャンヌが追及される部分のほうが面白かった。論理学的にも、大変参考になる。
ジャンヌは、一種のファンダメンタリストなのだろう。宗教にかぶれ矛盾にまみれた彼女が、論理学的に追求されついには非を悟るに至るストーリーは、ある意味爽快でさえあった。彼女には悪意はなかったのであろうが、矛盾を多分に孕んだ感情がその時々の状況に応じて形を変え、真理を歪曲するようなことがあってはならないと思う。
映画の製作上、我々はフランスの側に立って映画を見た。イギリスの側から見たらどうであっただろうか。あるいは、中立的立場・神を信じない立場から見たらどうだっただろうか。ジャンヌは神の名を語る煽動者にすぎないのではないだろうか。