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坂井代議士の逮捕許諾を請求　政治資金規正法違反容疑

　東京地検特捜部は６日午前、政治資金規正法違反（虚偽記載）容疑で自民党の坂井隆憲衆院議員（５５）＝佐賀１区＝の逮捕状を東京地裁に請求した。地裁は逮捕要件を満たすと判断、逮捕許諾要求書を内閣に提出した。内閣は持ち回り閣議で請求を決定し、要求書を衆院議長に提出した。同容疑での逮捕許諾請求は初めて。７日の衆院本会議での議決を経たのちに逮捕状の発付を受け、特捜部が逮捕に踏み切る見通し。同容疑で国会議員が逮捕されるのは、９８年１０月の元防衛政務次官の故・中島洋次郎元衆院議員以来となる。

　衆院議長は６日午後５時半から議院運営委員会の理事会を開いて扱いを協議し、その後、委員会の先例に従って秘密会を開き、その場で検察当局に代わって法務省刑事局が、坂井議員の逮捕を必要とする理由を説明する。坂井議員が応じれば、自ら秘密会に出席して釈明する機会も設けられる。

　これまでの調べによると、坂井議員は、政策秘書の塩野谷晶容疑者（３８）や元公設第２秘書の中山求容疑者（５１）＝いずれも同容疑で逮捕＝と共謀して献金隠しを画策。９７年から０１年にかけて５期にわたり、自身の資金管理団体「隆盛会」の政治資金収支報告書に、実際より約１億２０００万円も少なく記載し、国に提出したとされる。

　塩野谷秘書が裏金として処理した１億２０００万円は、いずれも大手職業訓練会社「日本マンパワー」の小野憲会長（７１）側から提供されたとされる。

　検察当局は、（１）事情聴取に対し、坂井議員が容疑を否認したこと（２）坂井議員の佐賀市の自宅の捜索の際、家人が室内で紙類を燃やすなど証拠隠滅の恐れがあること（３）資金提供の多くは坂井議員本人が要求し、収支報告書への虚偽記載も指示するなど深い関与が疑われること――などから、早期の逮捕許諾請求が必要との判断に達したとみられる。

　現職国会議員の逮捕許諾手続きは昨年６月の鈴木宗男衆院議員（５５）＝あっせん収賄罪などで公判中＝以来。９カ月足らずで別の事件による国会議員の逮捕許諾手続きが取られる事態となった。

　坂井議員は早大卒後の７１年に大蔵省に入省し、国税調査官や税務署長などを経て退官した。９０年２月総選挙に立候補して初当選以来、４期連続して当選。労働政務次官や地方行政委員会委員長、内閣府副大臣などを歴任し、厚生労働委員長を務めていたが、今回の事件を受けて４日に辞表を出していた。 (03/03/06 14：03)

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