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03/02 15:01 500万人が水失う恐れ 危機直面のマニラ民営水道 外信404
一千百万人の人口を抱えるフィリピン・マニラ首都圏で、西半分
の住民約五百万人が一時的にせよ生活用水を失いかねない事態に直
面している。市民に水道水を供給する二つの民間会社のうち、西半
分をカバーする会社が経営危機に陥り、水道事業からの撤退を表明
しているためで、世界最大規模といわれたマニラの水道民営化は大
きな壁にぶつかっている。
マニラ首都圏に最初の水道が敷設されたのは一八七八年で、東南
アジアでは最も早かった。しかし一九九○年代に入って人口集中や
渇水、水道管の老朽化による漏水などで水不足が深刻になり、九七
年、当時のラモス政権は非効率な公営水道の民営化に踏み切った。
高級住宅地やビジネス街がある東部を「マニラ水道会社」、貧困
地域を抱える西部は「マニラ水道サービス会社」が受け持つ。いず
れも財閥系だが、政府は競争原理導入でサービス向上を狙い、地域
を二分した。
水道料金は民営化前よりも東部で74%、西部で43%安くなり
、水道普及率も五年間で東が67%から90%に、西も58%から
84%に向上した。
課題は漏水や水質汚染の原因になっている古い水道管の交換。漏
水や盗水などの比率は東が63%から54%に、西で69・5%か
ら68・7%に下がったが、まだ半分以上の水道水が失われている
。
東のマニラ水道が利益を出しているのに反し、西のマニラ水道サ
ービスは十九億ペソ(四十一億円、二○○一年)の赤字に苦しむ。
公営水道時代に世界銀行などから受けた八億ドルのドル建て融資の
債務を東西二社で分割した際、融資内容に応じて90%を引き継い
だのが大きな足かせになった。
「民営化当時は一ドル=二六ペソだったが、今は五四ペソまで下
落。為替差損で債務総額が百八十億ペソから三百九十億ペソと二倍
に膨らみ、返済できない」とマニラ水道サービスのアレリアーノ副
社長代理は言う。
第三者機関の調停委員会が撤退を認めれば、当面は管理機能など
を維持している首都圏水道局が運営を肩代わりするしかなく、「民
」から「官」への逆戻りによる断水などのサービス低下が懸念され
ている。(マニラ共同=桑原正樹)
(了) 030302 1500
[2003-03-02-15:01]