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激しい暴力が支配するサンパウロについての記事を阿修羅で以下のようにみた。
http://www.asyura.com/2003/bd24/msg/693.html
で,気になっていたブラジル映画「City of God」を観にいった。本年のアカデミー賞候補(外国映画部門だろう)にあがっているようだ。
実話を映画にしたものだ。サンパウロのcity of Godというスラム街をねじろにするギャング団の内外での暴力の限りを描写したものである。若い連中によって構成されており、小学生ぐらいの年端もいかないこともたちなども若いボスから銃を一人一丁渡される。朝から晩まで商店や銀行の襲撃・焼き討ち、敵対ギャング団襲撃など息をするとの同じ感覚で、銃をぶっ放し、殺しまくるのだ。とにかく激しい殺戮が凄惨さをともなって映写される。若いボスが子供たちに他の仲間の子供をこの銃で撃っておれに見せてくれという。で、撃つ。子供たちは自分が大人であることの証明に、これまで人を殺したことがある、とボスに主張する。
警察もボスを捕まえながら、彼の自宅に連行し、これまで稼いだ財産をすべて金にかえていたが、彼を解放するかわりに、警察が金を強奪する。
小学生ぐらいの子供たちはボスを銃殺し、ここのしまのビジネスはおれたちのものになった、と狂気乱舞する。
映画鑑賞してきて、これほど、(戦争ものをのぞいて)激しい暴力シーンをみたことがない。
問題はこれは深作監督作品のように、つくりものではないということだ。これは現実にあったことを映画にしているだけなのだ。ブラジル人に勧められてこの映画を見たわけだが、彼にいわせると、これが、ブラジルの現実なのだ、誇張ではないという。
貧困というのは、人間から道徳も倫理も根本から奪ってしまうものだ、とあらためて思った。これらのギャング団の基本原理は、持たざる者が持てるものから強奪するのは当然だ、ということなのだ。
日本を含め、世界が急速に不安定になっている.その背後には持てる者と持たざる者の乖離が一層進行している現実がある.これは、実は米英の経済プログラムであるネオリベラリズム(貿易自由化、競争原理、規制緩和、民営化)によって、各国で横断的に発生している現象なのである.つまり、上からのグローバル化の結果なのである。
イラク戦争も上からのグローバル化として、持てる者が持たざる者から強奪するお話なのである。イラクのあとシリア、イランとついで、持たざる者からわずかに残っている財産を30年かけて強奪略奪しようとするのが今回の米英の物語なのである。
これにより、持たざる者と持てる者の経済格差が圧倒的にすすめられる。そこで、持たざる者は持てる者にささやかな取りかえし作業にでる。あるいは、持たざるものどうしが、略奪しあうという図になるのだ。
このブラジル映画は、30年戦争と平行して起きる、持たざる者の側の倫理と道徳の完全崩壊を先行して示している。倫理道徳の崩壊は、持たざる者側だけではない、持てる者の側もその更なる悪化劣化が予想される.というより、米大統領のラジオ演説にみる、国連無視して、単独にイラク攻撃を行うという声明に、その現象を既に今目撃しているのである。
持てる者の、持たざる者への襲撃・強奪宣言が今回の演説なのである。
イラク戦争を端緒として、今後世界が激しい不安定状態に突入されることはもはや回避不能である。そこでは血で血を洗う凄惨で無慈悲な死が日常化する。人倫は根本から失われ、人はもはや誰も他人を信用しない。奪い奪われ、殺し殺されるのが日常の光景となる。
人間の霊的尊厳は地に落ち、阿鼻叫喚の生き地獄を生きなければならない。
ブラジルが既にそうなのである。
イラク戦争は世界を急速にブラジル化する。
この映画の監督、Fernando Meirellesこれが監督デビュー作品となる.シャープでスピード感あふれる映像センスが、この凄惨な暴力に満ちた都市の生理を掛け値なくつかみ取っている。監督の才能恐るべしである.大器の気配が漂っている.
アカデミー賞は間違いないとみる。
イラク戦争は絶対開始されてはならない。
日本国内は、この映画に少しずつ近付いている。売国小泉自民党は、日本社会と日本人を根本から破壊している。