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南京大虐殺 覆す新事実
これまで「南京大虐殺」の根拠とされてきた英国の新聞記者の著書が中国国民党の宣伝書籍だったことを示す極秘文書が28日までに、東中野修道・亜細亜大学教授の調査により台湾で発見された。「大虐殺」説を覆す決定的な証拠として注目される。
問題の著書は、日本軍の南京攻略当時、英マンチェスター・ガーディアン紙の中国特派員だったH・ティンパーリーの『戦争とは何か』。「4万人近くの非武装の人間が南京城外または城壁の付近で殺された」などと書かれ、「大虐殺」の証拠とされてきた。
東中野教授が見つけた文書は『中央宣伝部国際宣伝処工作概要』という題で、「極機密」の印が押され、日本軍が南京を占領した1937(昭和12)年12月から約3年間の中国国民党の宣伝工作を記録していた。
その中の「対敵宣伝科工作活動概況」という項目で、国際宣伝処が編集・印刷した単行本として『外人目睹中之日軍暴行』を挙げ、「この本は英国の名記者、田伯烈が著した。内容は、敵軍(日本軍)が1937年12月13日に南京に侵入したあとの姦淫、放火、掠奪、極悪非道の行為に触れ、軍紀の退廃および人間性の堕落した状況についても等しく詳細に記載している」と書いていた。
『外人目睹中之日軍暴行』は、「外国人が見た日本軍の暴行」という意味で、『戦争とは何か』の中国語版の題名。また「田伯烈」はティンパーリーの中国名にあたる。
東中野教授は台湾の調査で、1943年に発行された『中央党部職員録』も見つけ、その中の「対敵宣伝委員会」のメンバーに、ティンパーリーと対外宣伝について協議した曽虚白がいることを確かめた。また、国民党中央党史史料編纂(へんさん)委員会の所蔵史料から、『戦争とは何か』の中国語版に掲載されている写真と同じ写真を見つけた。
東中野教授は「『戦争とは何か』が中国国民党の宣伝本であったことは100パーセント確実になった」と話している。
『戦争とは何か』をめぐっては、ノンフィクション作家の鈴木明氏が、ティンパーリーが中国国民党の顧問だったことを指摘し、立命館大学の北村稔教授が、ティンパーリーと曽虚白の関係を明らかにしている。今回の発見は、鈴木、北村両氏の調査を補強する証拠になるとみられる。東中野教授の詳しい調査結果は、1日発売の雑誌『正論』4月号に掲載される。