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がんばれ みちのく銀行
http://www.michinokubank.co.jp/
みちのく銀行株価10年
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=8350.t&d=ay
青森市に本店を置く地方銀行、みちのく銀行がロシアで積極的に金融業務を拡大している。三年前に現地法人を設立し、今年夏には支店も開設した。不良債権処理にあえぐ日本の金融機関は、ロシア進出どころか海外事業からの撤退が相次ぐ。同業者からは異端扱いされがちだが、将来の発展が見込める人や場所への投資は「銀行家本来の仕事」と涼しい顔だ。
「米シティバンクがロシアで個人向け金融サービスを手がけるという。世界的な銀行が我が行の戦略を追従した」――。みちのく銀行の実力会長である大道寺小三郎氏は、してやったりといった表情で語る。
シティバンクは十一月、個人業務に特化した店舗をモスクワに開設したが、みちのく銀行はすでにモスクワにある現地法人「みちのく銀行(モスクワ)」がロシア政府の認可を受け、昨年から個人預金を扱っている。
ロシア戦略を陣頭指揮してきた大道寺会長は、「シティバンクとロシアで相撲ができる。だが、もちろん負けない。ロシアの家庭の状況は我が行のほうがよく知っている」と自信たっぷりだ。
みちのく銀行とロシアの関係は三十年近く前にさかのぼる。当時、業務部長だった大道寺会長が顧客を連れての海外旅行を企画したが、その一つが、日本海をはさんだ対岸となる極東ロシア地方だった。その後も同地方と様々な民間国際交流や協力を始めたが、商売とは無縁だった。
ビジネスの機運が出てきたのは、五、六年前にサハリン沖で石油・天然ガス開発が計画されてからだ。「経済開発にからんで少しはビジネス機会があるかも」と考えたものの、進出先として考えたのは交流関係のある極東ロシア地方。だがロシア政府の金融当局は首を縦に振らず、不案内な首都モスクワへの進出が求められた。
現地法人をモスクワに開設した当初、採算の見通しは暗かった。「赤字覚悟だったから十年間は収入がゼロでも持つように資本金の額を考えた。だめなら尻尾を巻いて帰ればいい」。大道寺会長は達観していた。
ところが思わぬ幸運が舞い込む。ルーブル下落に伴うドル建て資産の評価益を計上できたほか、日ロ政府間の漁業補償の送金手数料も入り、現地法人は初年度から黒字化してしまった。好業績がロシア政府から評価されて、念願だった極東ロシアでの拠点開設も認められ、今年八月にユジノサハリンスクに支店をオープン。来春はハバロフスクにも支店を開く。
みちのく銀行は地銀六十四行の中では中規模レベル。青森県に約百店(出張所含む)、北海道南部など県外に約二十店を構える。「家庭の銀行」を掲げ、親しみやすさを売り物にする典型的な地域密着型の銀行として、個人客を主とする堅実経営を旨としてきた。
健全性を示す経営指標の一つ、自己資本比率は二〇〇二年九月中間期で一二・七七%(連結、国際統一基準)と地銀トップ。財務体質の良さゆえに、リスクの高い海外ビジネスへの積極投資は周囲からは奇異なものと映りがちだ。
だが大道寺会長はそんな見方に首をかしげる。「銀行家は人や企業の将来性を見極め、不特定多数の人々から集めた資金を貸し出すのが仕事だ。景気が悪いから貸さないとか、良いから貸すというものではない」
「日本は様々な資源を供給できるロシアと、将来必ず経済的なくさびで結ばれる。投資するのは当然だ」と語る大道寺会長は、ロシア経済の歯車が回り出せば金融機関として商売の“ネタ”ができると見る。「(規制緩和が進まず)可能性ゼロの日本よりはいい。他の金融機関はどうして同じ発想ができないのか」
(青森支局長 竹内雅人)