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太田龍の時事寸評
平成十五年(二〇〇三年)二月十七日(月)
(第四百九十一回)
○「EIR」二〇〇三年一月三十一日号、三十一頁以下。
○マーク・バードマン「アングロ・アメリカンが『新しい帝国』
の展開について大言壮語する」
(Anglo ― American Boast of “New Empire”Drive)
○この小論は、きわめて重要な情報を与えてくれる。
○今年の一月五日、「グレード・ブリテン」(この英語を、今の
日本式に、イギリスと訳してしまう、そのこと自体が日本民族
を心理的武装解除することに通じる)で、オックスフォード
大学歴史学教授ナイアル・ファーガソンの新しい著作
「帝国 ― ブリテンは、どのように近代世界を作り出した
か」が出版された、と言う。
Empire:How Britain Made
the Modern World
By Niall Fergason
○N・ファーガソン教授は、一月七日付のロンドン・タイムズに、
彼の新著を要約する記事を書いた。
○更に、一月九日から、ブリテンのテレビ局「チャンネル4」
で、ファーガソンが出演する、六日連続の番組「帝国」が開
始された、
と言う。
○一体これは何か。
○これは、新しい「大米世界帝国」、又は、「大米英世界帝国」
の時代の開幕、へのプロパガンダ、であると言う。
○そして、まさに、今、発動されようとする、
イラクに対する米英の戦争、
そしてそれに勝利することが、
新しい大米英世界帝国の確立のための、第一幕、なのだと言う。
○問題のその本。
ナイアル・ファーガソンの「エンパイア(帝国)」が
届いた(2・17)
○大判、三九二頁。
写真、図版多数。
○著者の写真を見ると、四十代か。
○大英帝国が十七、十八、十九世紀、全世界を「文明化」して、
この近代世界を作り出したのだ、
との、アケスケな宣伝である。
○二十一世紀、
米英が協力して、更に、普遍的で高度な文明世界を作り出す
のだ、と、このオックスフォードの教授は、のたまう。
○この件は、更に引き続き、検討したい。
○ウィリアム・リース・モッグ卿は、一月十三日のロンドン
タイムズ紙上で、このファーガソン教授の新著を、絶賛した、
とある。
○「今、出現しつつあるアメリカ帝国は、アテネ、ベネチア、
グレート・ブリテンと言う、歴史的貿易国家の継承である」、
(リース・モッグ卿)と…
(了)
●(注)
ちなみに、ウィリアム・リース・モッグ卿(Lord
William Rees―Mogg)は、約半世紀、英国
(ブリテン)のマスコミ界の中心にすわりつづけて居る。
ロンドン・タイムズの編集幹部、BBCテレビの幹部などを
歴任。その功によって、英国女王は、この人物にLord
(卿、英国の中上級貴族の称号)を与えた。