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ヒトラーの謎──「総統、黒魔術をお選びになってはいけません!」
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投稿者 秘密結社ファン 日時 2003 年 2 月 16 日 19:24:02:


●正統派の思想家として知られるデニス・ド・ルージュモンはこう言っている。

「私はヒトラーの演説を聞いたことがある。どこからあのような超人的エネルギーが生じてくるのだろう。あの種のエネルギーというのは個人のものではない。あれは個人がどうでもよくなった次元においてのみ可能なのであり、我々の心理では理解し得ぬ“力”の表われなのだ……」


●高名な心理学者カール・グスタフ・ユングはヒトラーについてこう評していた。

「ヒトラーは真に神秘的な呪師の範ちゅうに属する人間である。彼は予言者の目をしている。彼の力は政治的なものではない。それは魔術である。」


●ダンツィヒ市議会長ヘルマン・ラウシュニングは、直接ヒトラーに会ったときの感じを次のように語っていた。

「どうしても霊媒を考えてしまう。この霊媒というのは、普段はおよそ眼につかぬごく平々凡々とした人物なのだ。ところが突然、あたかも空から降ってきたかのように超能力を生じ、通常の人々がとうてい届き得ない高みへと舞い上がる。このような能力は彼らの真の人格の中にあるものではなく、外から来るものなのだ。それは他の天体からの訪れ人のことである。

霊媒は憑かれるのだ。憑きが落ちると、彼は再び平々凡々の人物に戻ってしまう。疑いもなくある種の力がヒトラーをよぎるのはこのような形においてなのだ。ほとんど悪魔的と言っていいほどのある種の力が彼をよぎるのだが、このヒトラーという名の人物はその力がほんの一瞬だけ身にまとう束の間の衣に過ぎないのだ。

ヒトラーと接触を持つと、このようなごく平凡なものと世にも不思議なものとの結合、どうにもやりきれないような二元性が感じ取られる。まるでドストエフスキーの作中の人物のようだ。事実、病的な無秩序と濁った力の結合であるこの奇妙な顔つきを見る時、誰でもこのような印象を受ける。」


●また、同じくヒトラーの側近であり、後にナチズムを離れたシュトラッサーもこう言っている。

「ヒトラーの言うことに耳を傾けていると、突然彼は人間離れした栄光に輝き出す……。薄暗い窓の外に光明が現われるのだ。喜劇的なチョビひげを生やした人物は、すなわち天使と化す。だがやがてこの大天使は飛び去ってしまう。と後に残されたヒトラーは全身に冷汗をかき、濁ったガラスでできたような光のない眼つきになり力なく腰を下ろす。」
 
他の目撃者たちも同様にヒトラーが突然恍惚状態に陥ることを報告しているが、なかには一種の心霊体現象が見受けられたとし、更に恍惚状態が去った後では、まるで使い切った電池のようなものだった、と意味深長な形容をしている。


●前出のヘルマン・ラウシュニングは、1934年のある日、ヒトラーの知人グループのある賢明な婦人が、ヒトラーが打ちとけた態度をしていたときに、こんなふうな警告をしたことがあると、伝えている。
 
「総統、黒魔術をお選びになってはいけません。今日ではまだ、白魔術と黒魔術のどちらも、あなたの自由に委ねられています。でも、いったん、黒魔術をお決めになってしまうと、それはもう決してあなたの運命から消え去ることはなくなりますよ。早くて安易な成功を選んではいけません。純粋な霊たちの国の権力が、あなたの手に委ねられているのです。あなたの創造力を奪うような、地に縛られた存在によって、あなたの本当の道からそらされてはいけません。」
 
この有名なエピソードから、ヒトラーの「水晶の夜」以降の変質──「あやまちなき予言者」から「狂った虐殺者」への変身を、黒魔術に頼りすぎてその予知能力が曇ってしまったためだ、とする説がある。
 
ちなみに「水晶の夜」とは、1938年11月9日の夜に起きたユダヤ迫害事件のことである。この暴動はナチス親衛隊によって巧みに組織され、扇動されたもので、これによりベルリンをはじめとする全ドイツでユダヤ人虐殺の嵐が荒れ狂ったのである。この夜は、ドイツ国内のユダヤ人にとってまさに絶望の一夜だった。そして、この翌年にヒトラーは第2次世界大戦を引き起こし、ヨーロッパを絶望の淵に落としたのであった。

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