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妖怪バンド「陰陽座」平安絵巻ライブ
「妖怪(ようかい)ヘヴィメタル」を売りにする超異色ロックバンド「陰陽座(おんみょうざ)」がヒットチャートをにぎわしている。平安朝の衣装で妖怪や陰陽師を題材にした曲を歌う5人組。「鳳凰(ほうおう)の翼で舞い、麒麟(きりん)の瞳で睨(にら)み付けろ!!」と題したライブを8日夜、東京・渋谷ON AIR WESTで開催。大デモンストレーションを繰り広げた。
Jロック界にまたまた不思議なバンドが登場した。5人とも背中まで伸ばした長髪で顔は白塗り。平安絵巻から飛び出してきたような和装で楽器を持ち、大音量のへビィメタをギンギンに演奏。まるで重金属妖怪。
「妖(あや)かしの花、乱れ咲く宵は魔的で虚ろな悦楽さえ…」和歌のように流ちょうな詞を血管が切れそうなくらいの高音でシャウト。歌詞に英語を用いない徹底ぶり。「伝統的日本文化を基盤にこの世のありとあらゆる怪しく妖しいモノを音楽で表現する」と意気込む。
観客もすさまじく、約600人が一斉に首を縦に激しく振って興奮。ライブ中は魑魅魍魎(ちみもうりょう)が跋扈(ばっこ)するような空間となった。
紅一点ボーカルの黒猫、ベース兼ボーカルの瞬火(またたび)、ギターの招鬼(まねき)と狩姦(かるかん)、ドラムスの斗羅(とら)で編成し、猫つながりの名で統一。出身地や年齢は未公表。「陰陽師の言葉にある陰と陽の部分を楽曲の静と動、剛と柔で表現し分けようと結成。だから編成も男女のツインボーカルで、ツインギター」と様々な面で“対”を成すようにしてオリジナル性を打ち出している。
先月発売のアルバム「鳳翼麟瞳(ほうよくりんどう)」は3日付けオリコンチャートで初登場23位に。ヘヴィーメタルではSEX MACHINEGUNS以来のブレークだ。
演奏中はおどろおどろしいが、ふだんは紳士淑女。メークと衣装の着付けは1人当たり1時間。メンバーたちは「この衣装は2〜3キロ。重いですよ。ステージでは汗をかくからさらに重くなります」と苦笑い。ライブツアーの度に衣装が増えるが「リーダー(瞬火)の母親が徹夜で仕立ててくれるんです。本当ですよ。だってお母さん、プロの洋裁家なんですから」と思わぬ裏方スタッフの秘話も明かした。
この日は「鳳翼天翔」「麒麟」「妖花忍法帖」など21曲を披露。春には本格的な全国ツアーを10都市で計画し「アルバムのタイトルのようにどこまでも舞い上がっていきたい」と飛躍をアピールした。(スポーツニッポン)
[2月9日7時0分更新]