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太田龍の時事寸評
平成十五年(二〇〇三年)二月七日(金)
(第四百八十回)
○九州大学の数学者、高瀬正仁さんから
岡潔先生の遺著「春雨の曲」第八次草稿(未完)のコピー本も頂く。
○第七次草稿と同じく、第八次草稿も岡先生の逝去後(一九七八年三月)
五十冊印刷されて、関係者に配布された(一九七八年)、
とのこと。
○一九七七年三月
第七次草稿「春雨の曲・巻の一」脱稿、毎日新聞社に出版依頼。
同年十月、これを取り下げる。
○一九七八年一月
第八次草稿を書き始めるが、まもなく病気。
同年三月一日、死去。
○と言ふわけで、未完のままに終わった第八次草稿。
○ここでは、仏教の唯識論を踏み台にして、更にそれを超えた境地が展開される。
○第七次・第八次草稿は、「第一巻」とされて居り、あと七・八年はかけて
数巻の大著の完成を構想されたやうだ。
○しかし、その第一歩のところで岡先生の寿命は尽きた。
○岡潔先生は
西洋人は「西洋型根本無明」に取り憑かれて居る。
そして、そのやうなものとしての西洋人、西洋文明は人類自滅どころか
地球全体を死の惑星へと突き落とすであらう。
・・・と予告された。
○それでは、その「西洋型根本無明」とは何者か。
○ここでは、説明は省略する。
○しかし「西洋型根本無明は空気伝染します。」(第八次草稿、三十八頁)。
と言はれる。
○「空気伝染」とは大変だ。
○蒸気船、鉄道、そして今や自動車、航空機、電波に乗って
「西洋型根本無明」は、全地球にはびこり、根を張ってしまった。
○遺憾ながら、苗代国学と同じく岡潔先生の思想もまた、継承されることなく
今まさに、死に絶えようとして居る。
○と言ふ、この危機一髪のところで
我々は、しっかりと岡潔先生の遺志を受け止めたい。
(了)
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