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『鬼畜米英 がんばれフセイン ふざんけんなアメリカ』(一水会代表木村三浩責任編集・鹿砦社・950円)
アナクロ的でストレートな表現のアジテーションがタイトルになったイラク問題をめぐるパンフレット風の書籍である。
この書籍を推奨する理由は、第一次湾岸戦争のみならず80年代前半までさかのぼってイラク−米国の問題がまとめられていることや主要メディアが奇矯で危険な人物だと喧伝している“極右”指導者のまとまった発言内容が収録されていることである。
(フセイン大統領のまとまった発言内容や来歴に関する資料もあれば、予想される米国のイラク攻撃で使用されると見られる兵器のリストまで掲載されている)
主要メディアを通じてなんとなく危険視されがちな政治家の発言内容がいちばん興味をそそられる。(主要メディアでは、政策や発言の断片を捉えた“叩き”の記事しか読めないからね)
● ロシア自由民主党党首・ロシア議会下院副議長のジリノフスキー氏「ブッシュ・ジュニアの浅はかな哲学に物申す!!」
これは、「ユダヤ人の上層部が沈黙を守る理由」なる節もあってなかなか面白い。
(イスラエルが瓦解しかねないイラク攻撃に沈黙している状況を上級ユダヤ人による普通ユダヤ人の切り捨てと見ている)
この他、「アメリカは移民によって創られ移民によって滅ばされる」、「アメリカの愛国心は偽物」、「「世界の特権階級」が準備する世界支配とイラクの三分割」などのテーマで話をしている。
● フランス国民戦線ルペン党首「アメリカのイラク攻撃は悪逆非道だ!」
昨年のフランス大統領選の決選投票に残って“物議”を醸した人物だが、自分の性向を「外人嫌いではなく、たんにフランスびいき」だと説明し、グローバリストや対米追随者よりもまっとうな国家観を語っている。
91年の「湾岸戦争」を中心としたイラク−米国の関係をまとめたものとして掲載されているインドの法学者ビエム・シン教授(政党「ジャムカシミールの虎」創設者)の「イラクはなぜ湾岸戦争を戦ったのか」が参考になる。
主要メディアが“対米追随”姿勢で報道している状況の日本で、異なる視点からイラク問題を考えたり、欧州極右のことを“生”で知る参考資料として本書を奨めたい。