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小泉純一郎首相が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を訪問し、金正日(キムジョンイル)総書記と「日朝平壌宣言」を交わしてから17日で半年になる。しかし、両国関係は日本人拉致被害者家族の帰国問題で対立が決定的となり、北朝鮮の挑発行為もエスカレートする一方。交渉は暗礁に乗り上げ、打開の糸口すら見えない。
■平壌宣言 菅直人民主党代表「平壌宣言は空洞化している」
首相「北朝鮮も平壌宣言を評価している。北朝鮮が守るよう働きかけていく」
13日の首相と野党党首の会談で、菅氏は北朝鮮の核拡散防止条約(NPT)からの脱退宣言や核施設の再稼働などで平壌宣言が形がい化した実態を突いた。しかし、首相発言をフォローするはずの福田康夫官房長官は「平壌宣言は一時お休みしている。危ないところまでいっている」と補足、より厳しい認識を示した。
一方、北朝鮮の朝鮮中央通信は11日、「拉致と核問題を解決し日朝国交正常化実現を目指すのが基本方針」との川口順子外相発言に対し、「核問題は米朝の問題で、日本が口出しする名分はない」「こうした姿勢が日朝平壌宣言に背く行動だ」と反発した。
日朝交渉筋は「北朝鮮にとって平壌宣言はいまだ経済協力を引き出すテコ」と分析。「瀬戸際戦術」を続けながら、都合のいい時にだけ、宣言を持ち出すというわけだ。
日本側にも北朝鮮が核兵器開発に直結する核燃料棒の再処理施設稼働やノドン発射に踏み切った場合でも「今までの努力がパーになるだけに、日本から『宣言違反で無効』とはどうしても言えない」(外務省幹部)というジレンマがある。
■深まる溝 北朝鮮による拉致事件の「家族会」などは12日、日朝首脳会談後初めて川口外相と面会し、北朝鮮への経済制裁を求めた。しかし、外相は「現時点では考えていない」などと回答したため、家族側は「外務省の無策無能ぶりを表している。外務省とは信頼関係は結べないし敵だ」と激怒した。
一方、日朝首脳会談を仕掛けた田中均外務審議官は2月22日北京で北朝鮮側と非公式に折衝し、核や拉致問題解決に向け日本の要求を伝えたが、全面的に拒否された。
小此木政夫・慶大教授(朝鮮政治論)は「イラク問題が一段落すれば米国も北朝鮮に目を向け、日朝外交の2幕目が来るだろうから、それを見ないと評価は難しい」と振り返ったうえで、「平壌宣言は休眠状態で、日朝交渉が再開すれば戻るところはこの宣言だ。北朝鮮の瀬戸際戦術は『恫喝(どうかつ)と求愛』の裏表。国際社会が振り向かないと脅してくる。今後は日米連携による多国間協議に北朝鮮を引っ張り出し、米朝交渉を促すという補完的な連携外交が問題解決の近道だ」と話している。 【徳増信哉】
[毎日新聞3月16日] ( 2003-03-16-00:33 )