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株式日記と経済展望:鹿嶋春平太著「聖書がわかればアメリカが読める」 米国のキリスト教は1200年の迫害を受けた異端派
投稿者 あっしら 日時 2003 年 1 月 31 日 18:28:07:


2003年1月31日 金曜日

アメリカの建国に先立つこと 150年、オランダやイギリスから「清教徒」の一派である分離派(パブティスト派=浸礼派)が渡ってきた。彼らのルーツはカトリックやプロテスタントとは異なる「聖書主義者」であるという。前二者が聖書の解釈の一致を重要視した教理中心の中央集権的な宗派であるのに対し、聖書主義者は聖書の解釈を比較的自由に行い、食い違いが大きくなると分派して行く。その末裔が現在サザンパブテストと呼ばれている宗派だ。彼らの主張によれば、アメリカに渡るまで1200年間も迫害を受けてきたという。しかし著者の鹿島氏は、1200年前のルーツを歴史用語の○○派という名称を上げて書いていない。彼らの主張どおりであれば、古代ローマ帝国がキリスト教を国教化した時の分派であるからアリウス派が該当しそうである。すると「キリスト教異端」となる。そこを鹿島氏は配慮したのかもしれない。

二回目の大覚醒運動が起きた。1795年頃である。これらが奴隷問題の論争へと発展しパブティスト派は南北に分れることになった。北部の州を中心に共和党ができ、1818年の欧州での奴隷禁止条約をけて、奴隷制度廃止の気運が高まる。リンカーンが大統領に選出されるや、南部は連邦を離脱しやがて戦争が始まった。南部は負けて奴隷解放が決まる。北部のプロテスタント系の人々が社会の支配層につき現実的に事をすすめる。一方、南部のサザン・パブティスト系はその力を宗教・霊的進化へと向かわせることになったと。しかし時々、その霊的覚醒運動は北を巻き込みアメリカ人の心をシャッフルすることがあるのだ。
(モナ丼のホームページより):http://www.hi-net.zaq.ne.jp/buakf907/books077.htm

「人間はというと、これはサタンの虜となっている。これに自由意志のもとに福音を与えて受け入れたものは救い出します。受け入れないものはそのままサタンの側についている者ですから、大ざっぱにまとめていっしょに滅ぼしてしまいます。これがイエスの全体的作業の構図になっています。」 (『聖書の論理が世界を動かす』 159ページ)

聖書解釈には多くの教義解釈があり、全く異なる誤解のネットワークが生まれ、数多くの教派が存在する。しかしバプティスト派は、いま述べたように、「福音を受け入れないで死んでいく人が少なからず出てもしかたないのだ」という聖書の論理で物を考えると、鹿嶋氏は説明する。私はこの論理から、広島、長崎の原爆投下と、ベトナム戦争、湾岸戦争、コソボ紛争におけるアメリカを主力としたNATO軍の空爆、そしてアメリカ同時多発テロ後の、アフガニスタンでのアメリカ軍の空爆を想起した。これらの戦争では、アメリカ軍によっておびただしい死者が出た。

バプティスト派はアメリカの人口の一部を占めるに過ぎないが、その聖書主義は広くアメリカ国民に影響を与えているといわれる。それは民主党政権下でも、アメリカに広く潜在的に作用しているはずだ。これらの戦争によるおびただしい数の死者が出ても、なおかつアメリカは兵器を世界中に輸出し、戦争を時には仕掛けてでも続けることに、いま述べた聖書の論理が働いているのではないかと考える。
(キリスト教とアメリカの政治より):http://www.d5.dion.ne.jp/~y9260/yuniratera1.html

昨日のNHKのBSで「博士の異常な愛情」を放送していた。時節柄とても興味深い内容だった。頭の狂った空軍の基地司令官が、勝手にソ連へ核攻撃をするストーリーですが、その副官の英国の士官にピーター・セラーズが演じていた。ちょうどブッシュ大統領のイラク攻撃命令に右往左往するブレア首相がダブって見えた。当時から英国はアメリカのプードルだったのです。頭の狂った米空軍司令官とブッシュ大統領は瓜二つだ。

以前にも「株式日記」で、去年の11月18日にアメリカのキリスト教原理主義の事( http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu41.htm )を書きました。その中で次のように書きました。

キリスト教原理主義はアメリカ独自の宗派であり、イギリスをエジプトとみなし、アメリカをイスラエルとみなす旧約聖書を絶対視するファンダメンタリストたちだ。ヨーロッパから迫害から逃れてきた清教徒たちにとって、モーゼに率いられてエジプトを脱出しイスラエルに逃れたユダヤ人をダブらせている。おそらくこのような神話を作り上げたのはイスラエルの工作機関だろう。

このようなキリスト教連合組織が出来たのは1989年でまだ新しく、その正体は謎に満ちている。アメリカを神に与えられた約束の地とみなすなど、イスラエルとアメリカとを同一視するなど、ユダヤのシオニストの陰謀のにおいがします。しかしこの事はアメリカにとっては最大のタブーであり、この事を公に議論されることはまずない。しかしアメリカのテレビを見れば頻繁に「ゴッド・ブレス・アメリカ」が歌われている。アメリカは神権政治国家になろうとしている。

このようにして考えれば、アメリカがなぜ広島、長崎に原爆を落とすことが出来たのか、それは「福音を受け入れなかったサタンの虜である」と日本人はみなされたからだ。この事をアメリカ人に指摘したところで、アメリカ人は認めないだろう。あるいは「核による先制攻撃」すら認める論理は、中世ヨーロッパの魔女狩りにも似た論理だ。「悪魔がとり付いた人間は焼き殺す」のがキリスト教徒の仕来りだ。だからイスラム教徒には悪魔がとりついており、このままなら核爆弾で焼き殺されるのだろう。

今夜の「朝まで生テレビ」は、「米国はならず者国家か」という興味深いテーマが話し合われる。もしアメリカが理由もなくイラクを攻撃すれば、アメリカは「カルト宗教国家」とみなされても仕方がない。「テロ支援国家」と名指しすることは、「サタンがとりついた国家」とみなし、先制攻撃も神の名の元に正当化されるのだ。そのように考えなければ、米国が一般市民に対する無差別爆撃を正当化できない。旧約聖書には核により世界の終末が予言されている。「博士の異常な愛情」はそれを予言( http://www.coara.or.jp/~otsu/strangelove.htm )した映画なのだ。春平太氏は次のようにアメリカを指摘している。

この国は、本当に、特殊な国なのです。人類史にこれまではもちろんのこ と、もうこれからも出現しないだろうと思えるほどです。だから、世界はストレスを受けるのです。そして、それを最大に受けるのは、イスラム文化の人々でしょう。春平太は、このまま歴史が進むと、ある時全世界がアメリカを取り囲んで、第 三次世界大戦争を起こすのではないか、と心配しています。わからないが故に生じるストレスに耐えられなくなって、もう、ぶつかっていくしかなくなるのではないか、と。そういう流れにならないように、何とかしたいなあ、と心から思っています。(鹿嶋春平太)


春平太の聖書サロン メールマガジン:http://www.melma.com/mag/18/m00016018/a00000064.html
ローマ法王を殴るブッシュ大統領の狂気:漫画:http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu43.htm

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