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国境を流れる豆満江を渡り、中国に入ってくる北朝鮮住民は毎日10人を下らず、人民解放軍の兵士は阻止に手を焼いている――。脱北者が続々と押し寄せる国境地域の状況を、中国紙が報じた。中国山東省から日本、韓国への亡命をめざす北朝鮮住民数十人が行方不明になっていることが20日、明らかになったが、脱北者の流入は止まらず、中国側としても水際では打つ手がない模様だ。
著名紙・南方日報系の21世紀環球報道がルポを掲載した。中朝関係に配慮し、脱北者の報道に慎重な中国のメディアとしては異例の記事といえる。12月下旬に同紙記者が、脱北者の逃避ルートをたどった。
気温は零下20度以下。川は浅いところはひざぐらいまでで、分厚い氷が張っていた。北朝鮮側の岸には、500メートルおきにしか兵士はおらず、暖をとっている。川の上を歩き、北朝鮮側に近づいても制止されなかった。川面には、つま先が中国に向いた足跡があった。
中国の兵士は、密入国を阻止するよう上から命じられているものの武力を使うことは許されず、頭が痛い状況だという。
延辺朝鮮族自治州の中心、延吉に向かう高速道路の入り口には軍の見張り場所があり、身分証を見せねばならない。図們の高速道路入り口には桃色の延辺国境守備収容審査所が立つ。脱北者数百人を収容でき、毎日、少なくとも3、4人が入れられる。
延吉周辺まで逃げてきた脱北者は韓国人の地下教会に保護されたり、名前を隠して酒場で働いたり現地の農民と結婚したりして身を潜めている。
現地政府の末端組織である住民委員会は、脱北者をかくまわないように各家庭に協力を求めている。かくまえば、1000元(1元は約14円)の罰金を払い、逆に見つけて報告したら500元の奨励金を、情報を提供したら100元の奨励金をもらえる、という内容だ。
身分証と罰金制度のもとで、脱北者は都市に住みにくくなり、周辺の小さな町や村に行くしかなくなってきたが、そこでも発見される危険性が充満しているという。
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次々に逃げてくる脱北者を止めきれないとはいえ、中国が放置すると密入国は増えるばかりだ。まして中国経由で韓国などに逃げやすい状況ができると、北朝鮮住民が雪崩を打って中国に押し寄せ、北朝鮮も中国も混乱する可能性がある。中国当局は取り締まり強化で歯止めをかける構えのようだ。中国紙のルポからは、脱北者阻止の難しさとともに、そんな中国政府の胸の内がうかがえる。 (07:49)