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(回答先: もし、今後設備コストをかけないで白油を生産できる。とこがあれば誰だって欲しがるよ。 投稿者 hou 日時 2003 年 1 月 19 日 11:41:41)
カナダ
ガソリン品質基準を強化
カナダ環境省は6月、ガソリン品質基準強化規則を発表した。自動車の排気ガスによる大気汚染の防止を目的としたもので、環境保護団体や自動車メーカーは歓迎しているが、一方で石油精製メーカーは品質改善のための設備改修投資を強いられることになる。
2005年までに 90% 削減
6月7日、環境省はガソリン品質基準強化規則を発表した。同規則は、6月に休会した第36議会で可決され、6月23日付官報(Canada Gazette)にて告知された「環境保護法」(Canadian Environmental Protection Act)に基づいて制定されたものである。同規則によれば、98年時点でガソリンに含まれる硫黄分は全国平均350ppmであるが、これを2005年1月に平均30ppmへ、90%以上削減しなければならない。実施に当たっては経過措置が設けられており、カナダで生産、輸入されるガソリン中の硫黄分は、2002年7月1日から2004年12月31日までの間に150ppmにまで削減しなければならない。そして2005年1月以降は30ppmを義務付けられる。ガソリン中の硫黄分は不純物質で、二酸化硫黄や浮遊粒子となって、大気汚染の原因となる。また間接的には、自動車の排気ガス制御機能を低下させ、一酸化炭素などの大気汚染物質を増加させる。カナダで販売されるガソリン中に含まれる硫黄分のレベルは先進国中最高で、隣国の米国の平均310ppmよりも高い。またオンタリオ州のレベルは全国一で、530ppmにも達している。こうしたことから、環境保護団体や自動車メーカーは、連邦政府に対し、硫黄分を削減してガソリンの品質基準を強化するよう求めていた。
特に自動車メーカーの政府に対する規制強化の訴えは強かった。カナダ自動車製造業者協会(CVMA)は、「自動車の排ガス削減量の約90%は、自動車、エンジン、排ガス制御装置改良に対する自動車メーカーの巨額の投資によるもの」と、大気汚染防止のために自動車メーカーが規制を受け、汚染防止に貢献してきたことを強調。「クリーンな(環境にやさしい)自動車には、クリーンなガソリンが必要」と、次は石油精製メーカーの努力が必要と主張している。
米国でも規制強化の動き
硫黄分規制に対し、インペリアルオイル、ペトロ・カナダなど石油精製メーカーは、削減実施手順として、2002年7月から始まる経過措置を設けずに、2004年1月1日に一気に30ppmへと削減する、という方法を望んでいるようだ。石油精製メーカーにとっては、硫黄分削減のための設備改修投資を一度で済ませることで、コストを節約できるからである。
石油精製メーカーの望みが受け入れられるかどうかはわからないが、改修投資が大きな負担であることは確かである。カナダ石油製品協会(CPPI)によれば、全国に18カ所ある古い精製所を改修するには23億カナダドルのコストがかかると、試算している。中には改修するだけの価値がなく、閉鎖せざるをえない所もあるという。
低硫黄ガソリンを生産するには、設備改修の他に、硫黄分が最初から少ない原油を調達するという方法もある。オンタリオ州の精製メーカーの多くは、アルバータ州産の硫黄分の多い原油を調達しているため、ガソリン中の硫黄分のレベルが高くなっている。一方で、アルバータ州産のオイルサンドやベネズエラ産原油を調達しているメーカーは低硫黄ガソリンを生産することができる。 改修投資、低硫黄原油の調達のいずれにしても、コスト増加となり、小売価格に跳ね返ることは避けられない。
カナダ環境省が98年10月に硫黄分削減規則案を発表した時、石油精製メーカーは、米国の動向を考慮せずに、一方的に規則をつくらないように訴えていた。精製メーカーによれば、「米国よりも先に規制を実施すると、カナダの石油精製メーカーの競争力が奪われるから」というのが理由であった。しかし、カナダ環境省は、「カリフォルニア州にはすでに厳しい規制があり、他地域でも規制強化の動きが広がっている」とし、規制強化がカナダの競争力を引き下げることにはならないと反論した。
他方、米環境保護庁(EPA)は99年5月1日、カナダと同様のガソリンの品質基準強化規則案を発表した。それは、2004年にガソリン中の硫黄分を30ppmに削減することを義務付けるというものである。環境行政当局に対して、環境保護団体だけでなく、米自動車メーカーからの規制強化の訴えがあったのは、カナダと同様である。これによって加米両国のガソリン中の硫黄削減規制が足並みを揃えることになり、品質基準強化の動きが勢いを増しそうな気配である。