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カニが値上がりしている。昨年より2〜3割高だという。「客の財布のヒモが固い時にどうしたらいいのか」と悲鳴を上げる鮮魚店も多い。年末年始の食卓を華やかにする食材に、何が起きているのか。 【遠藤和行】
◆仕入れ値2倍
「昨年と同じ値段で我慢して売っているんだけど、これじゃほとんど利益なしだよ」。東京・上野の「アメ横商店街」。買い物客でごったがえす中、タラバガニを手にした鮮魚店の買い付け責任者は渋い表情を見せる。
カニの中でもタラバガニは年末の売れ筋だ。年間販売量の半分を、12月27日からの4日間で売り切る。この店は1袋(0.7キロ)を2500円で売っている。昨年はこれでもうけが出たが、今年は「赤字ギリギリぐらい」。この責任者は「さて、ピークの27日からどうするか。500円値上げして、この不景気に果たして買ってもらえるだろうか」と迷っている。
北海道のあるカニ販売業者も「数字は言えないがタラバガニの仕入れ値は昨年の2倍。でも、小売値は倍にはできないから、もうけは少ない」と嘆く。昨年はオスの小売値が6000円台(1.5キロ)だったが、今年は7500円。全国の個人向けの通信販売の注文件数は昨年に比べて減少したという。
◆輸入量半減
どうして今年のカニは高騰しているのか。関係者は「ロシアからの輸入が減ったことが大きい」と口をそろえる。
国の漁業・養殖業生産統計年報や貿易統計の01年度速報によると、国内のカニの漁獲量(生鮮・冷凍)は計3万7915トン。一方、カニの国別輸入量(同)はロシアが9724トンでトップで、以下、カナダ(8781トン)、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮、7445トン)、中国(5764トン)、米国(4354トン)と続く。
ところが、ロシアからの輸入が多い北海道と東北3県を管轄する函館税関が25日に発表したデータによると、同管内のカニの輸入数量(11月分)は、4179トンで昨年比50.3%となった。また、札幌市中央卸売市場でも、生鮮のタラバガニの取扱量(同)が183トン(昨年比62.7%)、冷凍が582トン(同55.2%)と激減している。
◆取り締まり強化
最大の輸入先ロシアからの水揚げ減が直撃した形だが、なぜそうなったのか。「密輸がなくなったからだ」と指摘するのは、衆院農水委員会などで、この問題を取り上げてきた筒井信隆衆院議員(民主)だ。
ロシアからの水産物輸入には「積み出し証明書」の提示で済んでいたが、今年3月末になってこれが偽造され続けていたことが判明。水産庁は4月以降、正式な「貨物税関申告書」を提示するよう徹底させた。このためロシア漁船からの水揚げが激減したという。
筒井議員は「偽造は輸入業者や有力政治家の圧力で黙認されてきたと考える。つまり、ロシアからの密輸品が大量に入っていたから、カニは安かった。いまは正常な値段に戻ってきたということでしょう」と話している。
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