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12/21 07:21 ヒトラー滞在の宿泊所閉鎖 ウィーンで不遇の青年時 外信09
【ウィーン20日共同】ナチス・ドイツの独裁者アドルフ・ヒト
ラーが二十世紀初めにウィーンで不遇の青年時代を過ごした際、約
三年間にわたって利用したホームレスのための簡易宿泊施設メルデ
マンシュトラーセ宿泊所が今年いっぱいで閉鎖されることになった
。
一九○八年にウィーンに来たヒトラーは美術学校の受験に失敗、
所持金も使い果たしたため一九一○―一三年、この宿泊所に身を寄
せ、自作の絵はがきなどを売って暮らしたという。
宿泊所は堅牢(けんろう)な石造りで、閉鎖後にどう再利用する
かは未定。ヒトラー研究家のハマン氏は「ここでの貧しい生活の中
で、(裕福な)ユダヤ人への復しゅう心が芽生えていったのだろう
」と分析。現代史研究者からは「(こうした経緯を説明した)記念
板などを設けられないか」との声も上がっている。
同宿泊所は○五年に大資本家のロスチャイルド家の支援で建設。
第二次大戦後もそのまま使用され、現在も三百人が生活しているが
、施設の老朽化に加え、シャワーなど設備が不十分なこともあり、
市当局が閉鎖を決定した。
ビンターベルガー所長は「日本などの観光客が時折、わざわざ見
学に来るので驚いた」と話している。
(了) 021221 0721
[2002-12-21-07:21]