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米週刊誌「ニューズウィーク」−米版トップが日本版でボツ
今月二日発売の米週刊誌「ニューズウィーク」(十二月九日号)は、「米国で結婚まで純潔を保つ自己抑制教育が広まっている」という内容をトップ記事(カバーストーリー)として報じたが、なぜか、この号を受けた日本語版(十二月十一日号)では、これを全く掲載しなかった。同編集部は本紙の取材に対して「時事ネタでなければ掲載が遅れる」(千葉香代子・副編集長)と説明するが、いつ掲載するか明確にしなかった。性教育の在り方については、日本での関心度も高く、「東京新聞」「産経新聞」の各紙も相次いで米国版の内容を報道。このため、「なぜ掲載されないのか」という読者の問い合わせも起きている。
(山本 彰)
読者から「不掲載」の問い合わせも
「時事ネタ以外は後回し」と弁明−日本版副編集長
「純潔は新たなカウンターカルチャーだ」とカバーストーリーで報じた米国版「ニューズウィーク」の表紙(左)と、ネットゲーム熱をカバーストーリーにし、米での禁欲教育の広がりを報じなかった日本語版の表紙(右)
この米国版の内容をいち早く報じたのは「東京新聞」(二日付夕刊)。「米国で10代の禁欲増える−結婚まで『純潔』/新たな性革命」との見出しで、全国の高校の三分の一以上が禁欲教育を実施し、ブッシュ政権も政策的にこれを後押していることを報じた。
本紙も十三日付の社説「性感染症の急増/自己抑制教育で抜本的対策を」で、米国が結婚まで純潔を保つことのメリットを教える教育で十代妊娠・性感染症の防止に成果を上げており、その内容を最新の「ニューズウィーク」が報じている、と指摘。「わが国も、即物的な性教育から、欲望コントロールする教育プログラムにシフトすべきだ」と述べた。
さらに「産経新聞」は、十六日教育欄で「米で禁欲教育広がる」(主見出し)と、大々的に同誌の内容を報道。一方で、過激な性教育を推奨する「“人間と性”教育研究協議会」(性教協)により、中高生に性交を是認するようなコンドーム教育が野放しに行われているわが国の現状を批判的に取り上げた。
ところが、通例、この米国版の内容を受けて編集される日本語版「ニューズウィーク」では、この記事が一切掲載されなかった。
「産経新聞」は、爽やかな雰囲気の米ティーンエイジャー男女を載せた米国版の表紙なども紹介。一般の日本人は、日本語版「ニューズウィーク」からではなく、日本の新聞から米国版「ニューズウィーク」の内容とイメージを受け取るという結果になった。
ちなみに、日本語版のカバーは、オンラインでゲームに興じる若者たちを描いた「ネットゲーム新世紀」だった。
不掲載の理由について千葉香代子・副編集長は「イラク情勢のような時事的なものでなければ、掲載が遅れることがある」と説明。
「来年一月に掲載予定だが、他の記事との関係もある」としており、このままボツという可能性も残されている。
日本語版編集部には「日刊紙が大きく報じたりしているのになぜ載っていないの」と、読者からの問い合わせも。来月に、どのような形で掲載されるか関心が高まっている。