現在地 HOME > 掲示板 ★阿修羅♪ |
|
旅券、領収書、卒業証書……。不法滞在する中国人相手に、闇で文書を偽造するビジネスが「繁盛」している。6畳の部屋を「工場」とし、数千万円から1億円を稼ぐケースも。不法就労の外国人に対する目が厳しくなり、就職などの際に身分を証明する書類の提出を求められるようになってきたことが「市場」を拡大させた一因とみられている。
東京のJR池袋駅に近い住宅街。7月、2DKのマンションの一室に埼玉県警が踏み込んだ。
住んでいたのは中国人の池細妹(チー・シーメイ)服役囚(25)=有印公文書偽造などの罪で懲役2年6カ月の刑が確定。6畳の部屋に、入り口から右にパソコンやプリンターが並び、左には手作業のための机があった。
パソコンに依頼者の名前や写真を入力して印刷、折り目に千枚通しで穴を開けて針と糸で縫い上げる。「中華人民共和国」の国名入りの赤色の表紙をスプレーのりではり付け、ブラシでしわを伸ばす。
旅券作成に1時間もかからない。電話で注文を受けたその日のうちに品物を手渡す。旅券と外国人登録証のセットで1万5000〜4万円。国民健康保険証や大学の卒業証明書の偽造品もあった。
池服役囚は密入国で日本に来た。すでに、中国に帰っている兄夫婦から技術を学んだという。「添付する顔写真の角を落とすかどうかなど細かいところに個性が出ている」と捜査員。池服役囚の旅券は縫い目が6カ所。本物はもっと細かいが、だますにはこれで十分という。
県警の調べだと、2年半の間に1万3千点に上る文書を偽造、5000人以上に売り、1億円を稼いでいたとみられる。
◇
東京・高田馬場。中国人の劉剣勇(リュウ・ジェンヨン)被告(28)=有印公文書偽造などの罪で公判中=が借りる6畳一間のアパート。
埼玉県警の調べによると、今年8月までの1年間に旅券など約2500通を偽造。ブローカーなどを通じて売り、2000万円を稼いだとされる。
パソコンやプリンターのほか、旅券などの書式が入力された偽造ソフトも押収された。ソフトは市町村長の名前まで登録され、依頼者の要望通りの個人情報を入力すれば簡単に偽造ができる仕組みだった。道具一式は、知人の中国人から50万円で手に入れたという。
◇
法務省入国管理局によると、昨年1年間に国外退去となった外国人は4万人。うち8割が不法就労だ。
以前は旅券などのコピーでよかった就職の際の身分証明証も、就職先から現物を出すよう求められることが多くなった。住所を証明するために、ガスなどの公共料金の領収書を要求されることもある。
「不法滞在する中国人にとって偽造文書は生きる上での必需品。取り締まりが厳しくなるにつれて技術も向上している」と県警外事課。巧妙になる偽造ノウハウは闇ルートで広がっているという。
(17:24)