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外務省機密漏えい事件 元毎日新聞社記者 西山氏九大で初講演
沖縄返還交渉をめぐる日米間の「密約」に絡む外務省機密漏えい事件で、国家公務員法違反罪で有罪が確定した元毎日新聞
記者の西山太吉氏(71)=北九州市=が十八日、福岡市東区の九州大で講演。八十人の学生を前に「あれは密約どころか条
約偽造で、違憲秘密だった。沖縄返還の本質は米国の戦略だった」と述べた。西山氏の講演は事件後、初めてという。
西山氏は一九七一年、沖縄返還に際して米国が負担すべき土地補償費四百万ドルを日本が肩代わりする内容の密約を示す書
類を入手し、議員を通じて国会で暴露。七二年に逮捕され、七八年に最高裁で有罪が確定した。最近、密約の存在を裏付ける
米側の複数の公文書が相次ぎ発見されたが、日本政府は一貫して「密約はない」としている。
西山氏は講演で「密約はもはや否定しようがない。偽証を認められない政府は『ない』と言い張るしかない」と指摘。沖縄
返還について「沖縄の反米運動を沈静化させ、基地をより自由に使用するという米側の戦略が本質。日本は完全に米国の軍事
戦略に組み込まれ『本土の沖縄化』が進んだ。日本は利用された揚げ句、いずれアジアの孤児になる」と述べた。
報道機関の現状については「政府発表に流されている。さまざまな意見を取り上げて自由に論議できる雰囲気をつくること
が、権力監視につながる」などと注文した。
http://www.nishinippon.co.jp/media/news/news-today/today.html#026