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【カイロ１３日＝夕刊フジ特電】
イラクが大量破壊兵器の無条件査察を受け入れたことで、疑惑の核心で厚いベールで覆い隠されるフセインの“本丸”大統領宮殿の全容解明に焦点が移る。国内に８カ所もあり、兵器関連施設が隠されているという。“茶番シナリオ”通り、国連安保理決議の受諾を表明したが、果たして『核カード』を公開するのか。米国は再三、虚偽申告や妨害などイラクの「重大な違反」は即、武力行使につながるとの見解を強調している。
大統領宮殿は、首都バグダッドなどイラク国内８カ所にあり、総敷地面積は約１００平方キロメートルとされる。銀座がある東京・中央区の面積の約１０倍で、伊豆大島よりもすこし広い計算になる。
計１５００を数える建造物があり、人造湖や堀に加え、なぜか滝まで設けられているという。
フセイン大統領は、国連の査察が停止した１９９８年以降、広大な宮殿内に核やサリン、マスタードガスなど生物・科学兵器の大量破壊兵器の研究施設を極秘裏に設置したとされる。
疑惑の焦点は、縦横に施設が張り巡らされているという地下施設だ。
ラムズフェルド米国防長官は１１日夜、「（査察団は）大量破壊兵器を見つけるのに数カ月以上かかるだろう。広範囲に拡散し、恐らく地下にあるから」と指摘する。
リーカー米国務省副報道官も「地下でどうつながり、どんな設備を擁して、どんな活動をしているのか不明」と言う。
８カ所のうち、特にブッシュ政権が注目するのは３カ所とされる。
ひとつは、バグダッドにあり、９８年以降に拡張著しいラドワニヤー宮殿。大統領官邸４つ、要人宿泊施設２２５、ほかにも数十の施設が点在し、精鋭の大統領警備隊に守られている。
同じバグダッドのサラーム宮殿は、湾岸戦争で破壊された軍の共和国防衛隊の跡地に建設された「反米」のシンボル的存在。大統領の出身地、ティクリートにある宮殿は敷地内に農場まで保有し、８カ所の宮殿の中で最大規模を誇る。
安保理決議では、イラクは１２月８日までに、国内のすべての大量破壊兵器の開発計画を申告しなければならない。
国連監視検証査察委員会の先遣隊は今月１５日にニューヨークを発ち、国際原子力機関（ＩＡＥＡ）と合流して１８日にイラク入りする。
イラクが虚偽申告や妨害などの「重大な違反」を行った場合は、安保理で再協議をすることになっているが、米高官は「（安保理決議は）米大統領の手を縛るものではない」として、必要な場合に米国が独自の判断で軍事行動をとれることを再三強調している。
イラク攻撃の有無は、大統領宮殿の査察がスムーズにいくか否かが一つの指標となりそうだ。

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