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イラク査察の国連安保理の新決議は、仏の抵抗で70日以上経過しても、成案がまとまらないようですが、このことは、米国のハードライナーや一部の学者が言う「米帝国の世界管理」(古い言い方でいえば、ニューワールドオーダー)確立は容易なことでないことを示しているでしょう。
アフガンほどでないにしろ、イラクもそう”強靭”な国ではありません。軍事力は北朝鮮以下ですし、国家体制もイランほどにもパワフルとは言えません。この国に戦争を仕掛けるのに、これほど手間取るのですから、世界帝国などいつのことやら。ダブヤ君にこういう自覚があればいいのですが、どうも、それだけの頭はなさそうですな。
それと、戦略的な思考が苦手な日本では、どうしても、モノの見方が近視眼的というか、時間軸が長く取れないのですが、露仏の抵抗は、別に対イラク戦だけを問題にしているのではないでしょう。
@イラクに親米かいらい政権や、ましてはGHQのような占領政権が誕生した場合、当然、イラン、シリア、サウジなど隣接国とのフリクションは高まり、特に、アルカイダとはイスラムの流れは違うものの、原理主義国家であり、パレスチナ武装勢力のスポンサーでもあるイランは苦境に立つでしょう。中東でのドミノ倒しが始まりかねませんAダブヤ政権内部でも、フセイン政権が簡単に崩壊した場合、ハードライナーの発言力は一段と高まり、「軍のIT化によって、世界に敵なし」といったムードは一段と増幅されるでしょう。民主党も含め、米国内でこれをいさめる勢力はなくなり、世界的にも、歯止めをかけられる国がなくなるでしょう。これこそ、「国連に代わって米国が世界を完全に取り仕切る」という”悪夢”の正夢化です。−−−こういう点を懸念して露仏の抵抗が続いているわけでしょう。もちろん、両国がイラク・フセイン政権に巨額の債務を持っていることも背景にはありますが、これについては、米国が肩代わりして払う、と言っているようです。
まあ、開戦しても、あっという間に米軍の勝利に終わるかどうか、は保障の限りではありませんし、ハードライナーがここでつまづく可能性も大だ、とは思いますが、米国が第2のローマ帝国かモンゴル帝国になれるのか、それとも「ナチスドイツ」にも(世界支配力で)及ばないのか、は間もなく分かるでしょう。これは、開戦できない場合も含めて言っているわけで、単に米国の軍事支配力をあげつらっているわけではありません。それにしても、昨日、「戦争」板にアップされたルモンド紙のフセイン政権の権力基盤の分析はさすがですね。仏も中東に昔から深い関わりがあるとはいえ、さすがです。わが国に官庁も含め、こうした分析をしているところがあるのかしらん。