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10/30 16:09 「ロイター帝国」に陰り 米ブルームバーグが猛追 外経60
情報サービス大手のロイターが業績不振にあえいでいる。主要顧
客の金融機関がリストラで情報端末の契約を解除する中、ライバル
の米ブルームバーグが急成長し顧客を奪っている。かつて圧倒的な
シェア(市場占有率)と情報量で金融市場を動かした「ロイター帝
国」の凋落(ちょうらく)ぶりは明らかだ。
ロイターの株価は十月十六日に一・六ポンドと二十年ぶり安値を
つけ、ピーク時の五分の一に。今年一―六月期決算は一九八四年の
上場以来初の赤字に転落、その後も低迷が続いている。
業界の調査では、ロイターは金融情報市場のシェアで九○年代初
めまで六割近くを誇った。しかしその後は一直線に失い、最近は三
割台半ばでブルームバーグにほぼ並ばれた。
世界的な株安で収益が悪化した金融機関が、情報端末の整理を進
めているのが業績不振の主因。しかしロンドンの出版社「リスク・
ウオーターズ」によると、この一年間でロイターが顧客を6%減ら
したのに対し、ブルームバーグは逆に6%増やした。
ロイターは十月に、情報端末にリアルタイムでメッセージをやり
とりできる機能を無料で追加したが、ブルームバーグはいち早く導
入済みで「ロイターの対応は遅い」と顧客の酷評を浴びている。
大手米銀ディーラーは「ニュース報道ではロイターがまだ強い」
としながらも、「株価分析など取引の道具としてはブルームバーグ
が優れている。選択しろと言われれば、ブルームバーグだろう」と
話す。
顧客や契約形態、地域ごとの価格が複雑に分かれているロイター
と違い、ブルームバーグは一種類の商品を世界中同じ価格で提供。
営業マンの対応も格段に速いという。さらに、リスク・ウオーター
ズの編集者マッコンビル氏は「端末一台当たりの収入はブルームバ
ーグの年一万六千ドルに対し、ロイターは半分」と収益性の差も指
摘する。
ロイターは現在、二千五百人規模の人員削減を実施中だ。しかし
英紙インディペンデントは「速報がロイターの看板だが、(リスト
ラに)目覚めたのが十年遅い」と皮肉っている。(ロンドン、ニュ
ーヨーク共同=今藤悟、新井琢也)
(了) 021030 1609
[2002-10-30-16:09]