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名門紙買収で国際展開強化 NYタイムズ、英米紙追撃 投稿者 倉田佳典 日時 2002 年 10 月 28 日 19:25:09:

10/28 17:15 名門紙買収で国際展開強化 NYタイムズ、英米紙追 外経52
共同
 米紙ニューヨーク・タイムズが、国際世論に強い影響力を持つ名
門英字紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューン(IHT)
の完全子会社化を決めた。IHT買収による具体的な将来戦略につ
いては口を閉ざしているが、欧米メディア界では、国際展開で先行
する米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)、英フィナンシ
ャル・タイムズ(FT)の二大英字経済紙の追撃が狙いとの見方が
もっぱらだ。                        
 WSJは米国内でタイムズをしのぐ約百八十万部の発行部数を誇
るうえ、アジアで八万五千部、欧州で十万部を販売。FTも世界で
五十万部足らずと小規模ながら、米国とアジアでの年間10%を超
す部数拡大などにより「多国籍化」を強めている。       
 タイムズはインターネット版の拡充を除けば、国外の読者開拓に
大きく出遅れた。米大手証券ゴールドマン・サックスのアナリスト
、ピーター・アパート氏はタイムズが「IHTをタイムズ色の強い
ブランドに変え、タイムズの記事掲載率を増やす」と予想する。事
実上の「タイムズ国際版」誕生のシナリオだ。         
 IHTは昨年まで二年続きの赤字で今年も赤字決算が予想されて
いるが、昨年の発行部数は約二十六万四千部で過去最高を記録。国
際的な知名度は高く、経済のグローバル化に伴う新規広告収入への
期待もある。タイムズはIHTの読者層や印刷、流通機能を使い、
国際事業で一気に巻き返しを図る態勢を整える。        
 タイムズは約三十五年間、ワシントン・ポスト紙と折半の出資で
IHTを運営してきた。しかし宿敵との「呉越同舟」の経営体制に
終止符を打ったのは、リベラルな論調とは裏腹な「どう喝」的交渉
術だった。                         
 ポスト側が保有株を譲渡しなければ、タイムズは国際版の競合紙
を発刊し、IHTへの財政支援もやめると通告。ポストは「極めて
不本意で悲しい決断」(ドナルド・グラハム会長)で株式売却に応
じた。                           
 IHTはポストにとって首都ワシントン地元紙の枠を超えた「国
際的高級紙」の地位を確保する重要な足場だった。しかしIHTを
失った後は傘下の有力誌「ニューズウィーク」に頼るしかない。追
い詰められたポストの「次の一手」も注目される。(ニューヨーク
共同=新井琢也)                      
(了)  021028 1715              
[2002-10-28-17:15]

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