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宮崎学氏のHPよりの転載である。元日本共産党学生ゲパルト部隊あかつき行動隊長でもあった、突破者宮崎学氏のHPの北朝鮮問題総括は読むに価する。実に爽快屋。社民のD党首、共産党 朝日新聞、ただの反米主義者に成り下がった元左翼の陰謀史観者とは違うね。和文タイプの名文に劣らず読ませるネー。Ddog
<http://www.zorro-me.com/2002-10/ag021020.html> 宮崎学である。
北朝鮮がアメリカに対して「核兵器開発やってます」と「正直」に言うて大騒ぎやな。これは例によってやくざ国家4原則にのっとった行動である。日本へは「脅す」アメリカには「居直る」、韓国には「ごねる」、中国には「すねる」や。
この問題を考えるには、前回もゆうたけど「北朝鮮の朝鮮労働党」ちゅうのが何か、という認識が先にないと正しい方針はでない。どうも世論をみていると、ここがわかっとらん。だから「なぜこんなひどいことをするのか」「こんなワルイ奴らは許せない」みたいな無力な市民主義へタレ論評に陥る。
あれは「国」ではないのだ
あの「国」はやくざでゆうたら「フロント企業」や。「国」は、党が大衆を支配する機関に過ぎない。「国家」の上に「党」があるのだ。拉致は「一部特殊機関が盲動主義、英雄主義に走ってやった」いうてたやろ。その「特殊機関」を「党」だと言い換えればばわかりやすい。「国家」は、田舎芝居の張り子の馬みたいなもんや。
しやから並の「国家」を相手にしてるとおもたら、外務省のアホどものように「松茸捨てたら失礼とちゃうか」とか「正常な国交をむすぶ交渉のテーブルにつくのが先決」とか、国民にはわけのわからんこと言うてまうハメになる。
国、といいたければ「パルチザン国家」というものである。
それは「戦争が正常な状態」の連中だ、ということなのだ。戦時なら、人殺しは正しい行為や。だから、世界中が仰天するようなことを、大韓航空機爆破だろうが、墓参りに爆弾しかけ暗殺しようが、外国市民の拉致・殺害だろうが、北の親族を人質に在日朝鮮人から恐喝でカネとったり、朝銀の預金を勝手に本国送金すること、なんだって許される存在であった。
そしてそれをさせているのが「朝鮮労働党」なのだということの意味をもう一度かみしめてみるべきなのだ。しやし、やらなあかんことは「正常な交渉のテーブルで、核開発を断念させる」「拉致問題のいっそうの究明に努力させる」「そのために援助問題を交渉材料に使う」ことは手段であっても目的ではなく、目標としては「朝鮮労働党の解体」でなければならない。
「パルチザン国家」とサヨクの母班はスターリン主義である
このために尽力することが日本の、かって北朝鮮を賛美し、そのごもその後遺症を抜けきれずに曖昧模糊たる態度をとりつづけてきた日本の左翼の責務である、とわしはおもう。
今、選挙戦で自民党の安部副官房長官が、北朝鮮の拉致実行犯の釈放運動をやった社民党の土井たか子と菅直人を「まぬ け」と呼んだという記事が珍しく選挙の時期に、あの社民好きの「朝日新聞」に載っていたが、日本の左翼はこの点、非難されて当然である。サンケイ新聞にからかわれとる共産党もいっしょや。
普段は「人権擁護」とか「平和と民主主義」とかいうてる日本のサヨクが、こと北朝鮮に関してはまったく無力だったのはなぜか?拉致家族を邪険に扱ったと批判されているのはなぜか?
なんで「盗聴法反対」「有事立法反対」「住基ネット反対」などなど、それなりにまともな主張をかかげてそれなりに闘いもする、人権擁護なんかにえらい熱心なこれらの政党がシビれてしもとったのか?いまもって歯切れの悪いいいわけすらようせんのはなんでやねん?日本共産党も社会党も、北朝鮮と同じワルイ奴らか?
それは、ワルイやつやからでも、大間抜けやからでもない。朝鮮労働党と同様の「スターリン主義の母斑」があるからや。
スターリンちゅうのは、ロシア革命成功直後にレーニンが死んでしもたのを好機としてソ連の独裁者になりおおせて、党の「一枚岩」=独裁化をすすめ1930年から58年に死ぬまでソ連を支配し、個人崇拝と恐怖政治のお手本をつくった男だ。彼こそが「粛正」の元祖。「金王朝」の産みの親であり、家元や。何十万人の「同志」を平気で殺しよったれが明らかになったのはその死後だったので、その間中、世界の共産党、社会党左派はスターリンを崇拝していた(というとかな、しらん若い読者が増えたもんなあ)。その系譜がポルポトや金正日に受け継がれてきた。
1970年ごろにはやった「新左翼」ちゅうのは、このスターリン主義が本来はうつくしかるべき共産党と共産主義をねじまげたのだ、ということから「スターリン主義の克服」をめざした。ところがかれらもまた、結局はもっと矮小でみっともないプチスターリン主義に陥没してしもたのだが、それはわしの「叛乱者グラフィティ」でもよんでくれ。
これに対し、朝鮮労働党というのは、スターリンが送り込んだ抗日パルチザンの[伝説の勇者]だった金日成の名を使って作った「偽金日成」がその後独裁王朝化した、いわばスターリン主義の正統な申し子なんや。スターリンを「神様」としていたという点では日本共産党も、同じ血を引く義兄弟、みたいなもんがある。あっちは「革命に成功した」だけに、成功してないほうは引け目もあったしな。旧社会党そしていまの社民党にも共通の精神的土壌、侵略戦争した側という負い目にヨワかったしな。
結局、スターリン主義の克服はみずからの内なるスターリン主義の解体が必要だったのだ。が、それもその都度、誤魔化し、先送り、みてみぬふりをつづけてきた。だから今、スターリン主義の権化たる朝鮮労働党に、日本のサヨクは対決するすべをもたないのだ。スターリニズムは日本の左翼にまだ亡霊となってとりついておる。
プチスターリニズム 「2度目は茶番として 」
新左翼のほうはどうか。もうめんどうやから簡単にいう。
かってわしは、タイでつかまった赤軍派の田中義三の救援活動をやった。あれは、当サイトに詳しい経過を掲載しているが、実はあれだけでない、もっと極端なこともかんがえていた。もしアメリカ側が田中を暗殺しようとしたら、こちらは刑務所の塀をぶちやぶっても救出する手はずまで準備していたのだ。結果 は無罪になった田中があっさり裏切ってくれて、日本に帰国の道を選んだからこちらも手を引いた。
あの戦いをなんでわしがやったかちゅうたら、赤軍派ちゅうのはいちおう「新
左翼」であり「反帝反スタ」というておった、その流れをくむなかでのもっとも
カゲキなやつらだ、という位置におった。その連中なら「反スターリニズム」の
実践をひょっとしたら何かやりよるか、興味があったのだ。(いや、期待はしと
らんかったけどな)
わしは「突破者」に書いた、北朝鮮へ戻って消息の消えた李君や、「不逞者」でとりあげた金天海の敵であったスターリン主義とのタタカイでもあったのだ。しやからあの一連の支援活動は、わしの北朝鮮におった残りの赤軍派連中に対して「おまえらも戦えよ」というメッセージだった。そのために「不逞者」出版したんと同じ時期に北朝鮮までいって赤軍派とはなしをしてきた。戦う相手は口にださんでもわかるやろ、と。ところが、そのあと彼らがやったんはしょうもない「雁のなんたら」ゆう通 信わしのとこにもおくってきただけやったな。
彼らは要するに「人民のために」なんもせんただのヘタレ集団にすぎなかった。革命家というのは目的の賛否はべつとしても命をかけてなんかできる連中のことだが、「明日のジョー」どころか、ただのただ飯何十年もホンモノのスターリニズム国家にくわせてもろた飛行機泥棒にすぎなかったわけだ。身体性なき口舌サヨクの限界だろう。
除霊の最後のチャンス
では、日本の左翼はスターリン主義の亡霊を「除霊」するために、なにをなすべきなのか?今がチャンス、それも多分最後のチャンスなのである。
今回の日本における反発もそうだろうが、もうひとつ、実は狡知にたけた存在とはいえ、2代目のボン でもある金正日の予見しえなかった、一見めだたない、しかし致命的な反応がいま日本国内でおきている。
「パルチザン国家」に忠誠を誓った筋金入りの連中にとっては、「日本とは交戦状態」にあったわけだから、当然、「敵国にたいしてはなにをしてもよい」というパルチザンの論理、で彼らは生きてきた。だから、同胞を脅し、金をまきあげ、信用金庫を破綻させても本国送金をやりつづけた。
ところが、その交戦状態の「敵」である日本に、こともあろうに金正日親分が「謝罪」してしまったのだ。殺人者でも愛国者である、というよりどころがなくなってしまったのだ。「拉致問題」で金正日が小泉に謝罪してしまった、というのは彼らにとっては、これまで生涯を、命を、生き甲斐をささえつづけた正義のよりどころが突然、自分らの親分のせいで失われたのだ。
かれらは強盗でも、詐欺師でもない。戦士だったのだから、「大義のため」を信じて嘘でも人殺しでもできた。その戦いの大義が失われてしまった今、戦士の魂は漂流しつつある。
このような心情はふつうの人には理解しがたいだろうが、左翼ならわかるだろう。
したがって左翼の任務は在日朝鮮人・韓国人の和解、すなわち「朝鮮総連」と「民団」の統一にむけて全力で支援することだ。
「日本における南北両朝鮮の歴史的和解」のために今こそ奔走することである。動きのとれない韓国、朝鮮だからこそ、日本のすべての朝鮮半島の住人が団結して声を上げることがどれほど大きな意味をもつかわかるだろう?
むろん簡単なことではないよ。自分らもようまとまらんで、仲間ケンカばっかりしとる左翼にとっては不可能に近い。しやけどそんなこというてる場合やないで。朝鮮半島のすべての住人、在日のすべての朝鮮・韓国籍、日本籍の人々の役に立てる唯一の、たぶんラストチャンスなのだ。アジアや世界平和や人権に役に立ちたいちゅうならこれを外して何がある?
ぐずぐずしとったら北朝鮮崩壊してしまう。そらええけど最後っぺに核爆発どっかでおきたら、この国はともかく、左翼はきれいに消滅する。当たり前だ。それぐらいの危機感をもてる感性なかったらそら消滅して当然やないか。
サヨクよりヤクザやでやっぱり
戦後のある時期まで左翼が北朝鮮を支持したことはしゃあないこっちゃとおもう。誰でも間違いもだまされることもある。大学時代はわしもそうおもとった。
しかし、今肝心なことは左翼としては今回明々白々に白状した北朝鮮のあり方からひとつは「いつ、いかに彼らが変化していったのか」を長いつきあいのなかで得た情報をもう一度精査して研究し、その結果を自分たちの間違いも含めて情報公開すること。そしてもうひとつは「自分らが権力をとったらやはりああなっていたのではないか」ちう疑問、自問が本気でできるかどうか、だ。
今の自民党政権は腐っている、このままでは日本は沈没だ。それは確かなことだ。しかしながら省みて批判だけ、文句だけゆうとった自分らが果 たしてよりましな政権をつくれたかどうか?北朝鮮のあり方をみて「自分たちが政権をとっていたらああなってしもたかもしれん」という事実に耐える精神があるか、ないかが今後、左翼というものに未来があるかないかを決定するんやないか。
そして、もしまだ少しでもそのような潔い精神、戦う意志があるならばその任務は、自分らがみずからも国民もあざむいてきた役割の痛切な反省と 北朝鮮の「朝鮮労働党解体」でなければならないし、その鍵は日本の「総連・民団の統一」にある。
そしてそれが「スターリニズム」の亡霊から脱し、「豊臣秀吉以来」から近代になってずっと不幸な関係をつづけてきた隣国と、わが国の関係の「借り」を多少とも返すチャンスであり、かつ北朝鮮のどこへとんでいくかわからんような「核」から日本の将来、自分ら自身を守ることにもつながるのだ。
ヤクザでも兄弟分の不始末は自分らでつけてこそ尊敬されるんやで。