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北朝鮮が米政府に対して認めた高濃縮ウランによる核兵器開発計画について、米政府が日本政府に伝えてきた内容の概要が22日、明らかになった。
複数の日本政府筋が明らかにしたもので、〈1〉北朝鮮は、核兵器に使用する濃縮ウラン製造に必要な遠心分離器の部品を1997年ごろから数回にわたり、パキスタンから購入した〈2〉一部の部品がそろっていないため、ウラン濃縮施設は依然稼働していない――という内容。北朝鮮はこうした計画を極秘に進めながら、日本と先月、「すべての国際的合意を順守する」とした日朝平壌宣言に署名したことになる。政府は、29日に再開される国交正常化交渉で、平壌宣言にのっとって核開発を即時放棄するよう北朝鮮に強く迫る方針だ。
日米関係筋などによると、米国が日本に伝えてきた内容では、北朝鮮は97年ごろから高濃縮ウランの製造に必要な「ガス遠心分離器」と言われる機材を約1000台備えた施設数か所の建設計画に着手した。同様の技術で原爆を開発したとされるパキスタンから主要な部品を購入した。主な部品はガス状のウラン化合物を通すために使うアルミ製のチューブなどだった。
米情報機関は今夏、部品の販売経路などをたどり、関与した業者を探り当てパキスタンから北朝鮮へのルートを解明したとされる。
ケリー国務次官補は、今月初めに平壌で開かれた米朝高官協議で、こうした部品を購入した際の領収書などの書類を証拠として北朝鮮側に示して核兵器開発の実態をただし、北朝鮮も核兵器開発を認めた。
ただ、米国は偵察衛星によって長年にわたり北朝鮮の監視を続けているが、一部韓国メディアなどで報道された施設建設の場所の特定には至っていないという。また、米国は「ウラン濃縮施設は部品がすべてそろっていないことから、現時点で稼働していない」と日本側に説明しているが、日本政府筋は「稼働すれば、数年以内に核兵器の製造が可能になる」と分析している。
「濃縮ウラン型」の原子爆弾を作るためには、天然ウランにわずかしか含まれない核分裂物質ウラン235を90%以上に濃縮することが必要で、「極めて高度な技術が必要」(外務省幹部)とされる。500―2000台程度のガス遠心分離器を使って、繰り返し濃縮し、高濃度のウランを製造する。
ウラン濃縮施設をめぐっては、イラクが91年の湾岸戦争後の国際原子力機関(IAEA)の査察の結果、ウラン濃縮施設を持ち、数年で原爆製造が可能であることが判明した経緯もある。
(10月23日03:01)