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【ジャカルタ15日=黒瀬悦成】
インドネシア東部のバリ島で起きた爆弾テロ事件で、同国警察当局は15日、現場付近にいたインドネシア人2人を事件に関与した疑いで拘束した。また、犯行に使われた爆薬は国内では入手しにくいタイプと判明、警察当局は、背後にアル・カーイダやジェマア・イスラミア(JI)などの国際テロ組織が存在する公算が大きいとの見方を一層強めている。
インドネシア当局によると、犯行に使われたのは、「C4」と呼ばれる軍用の高性能プラスチック爆薬。2000年8月に2人が死亡、当時のフィリピン大使が負傷した、ジャカルタのフィリピン大使公邸前の爆破テロでも使われた。インドネシア国軍は主にTNT火薬を使用しており、警察は爆薬が国外から持ち込まれた可能性が高いとの見方を強めている。
2年前のテロは未解決だが、比南部ミンダナオ島の分離独立を目指す過激派組織「モロ・イスラム解放戦線」(MILF)が犯行に加わった、との見方が支配的だ。治安当局は今回のテロにもMILFが関与した可能性に重大な関心を抱いている模様だ。
というのも、MILFはアル・カーイダと連携してフィリピンとインドネシアに複数のテロ訓練キャンプを設置し、多数のインドネシア人戦闘員を養成している疑惑が濃厚なためだ。
国際テロ研究家のロハン・グナラトナ氏によれば、同キャンプで訓練を終えたインドネシア人戦闘員らは、MILFに加え、アル・カーイダやJI、ヒズボラなど各地の過激派組織に合流しているという。
インドネシア政府が今回の爆弾テロを「アル・カーイダと関連がある」(マトリ国防相)を認めたのも、こうした事実を念頭に置いたものと見られる。
さらに、アル・カーイダと関係の深い組織として捜査当局は、イスラム法学者アブ・バカル・バシール師率いるJIに注目している。内外の情報を総合すると、バシール師とともにジャワ島中部でJIの前進組織を創設したアブドラ・スンカール師は、90年代初頭にアフガニスタンでウサマ・ビンラーディンと接触し、後にアル・カーイダを東南アジアに呼び込むきっかけを作った。アル・カーイダは、バシール師らの招きに応じ、ビンラーディンの腹心であるアイマン・ザワヒリ容疑者など複数の幹部をインドネシアに派遣して、同国内でJIとの連携体制を構築。さらに、2000年12月24日にインドネシア全土で起きたキリスト教会同時爆破事件など、同国内で様々なテロに関与したという。
(10月15日21:38)