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10/15 16:44 難しいかじ取り迫られる　テロ対策でメガワティ政権　外信56

　【ジャカルタ１５日共同】インドネシア・バリ島爆弾テロで、国
際的なイスラム過激派の関与が有力視される中、約二億人の人口の
九割を占めるとされるイスラム教徒の反発を懸念、本格的なテロ対
策に及び腰だった同国のメガワティ大統領は、国際社会で高まる圧
力を前に、難しいかじ取りを迫られている。　　　　　　　　　　
　爆弾テロ後、大統領は国際社会と協調し、事件の真相解明と犯人
の逮捕に全力を挙げると言明した。十四日の緊急閣議でもテロ対策
強化を確認した。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　これまでインドネシアは反テロの立場を強調してきたが、米国や
周辺諸国などから国内のイスラム過激派の取り締まりに積極的では
ないと指摘されてきた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　東南アジア各国にネットワークを持つとされる地下組織「ジェマ
・イスラミア（イスラム共同体）」の黒幕と名指しされたイスラム
急進派指導者アブ・バカル・バシル氏を「証拠がない」として放置
。昨年の米中枢同時テロ後に始めた対テロ法の立法措置手続きも遅
れが目立った。ユドヨノ調整相は十四日、「従来の対テロ対策は十
分でなかった」と認めた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　イスラム政党出身のハムザ・ハス副大統領はこれまで「国内にテ
ロリストはいない」などと強調。政権内で対テロ対策への認識に温
度差があった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　経済復興を目指すメガワティ連立政権にとって、政権維持にイス
ラム政党の協力は欠かせず、その立場に配慮せざるを得ないのが実
情だ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　「イスラム敵視」とも映る米国主導の対テロ戦争に国内の反感は
根強く、これに追従するかたちのテロ対策を強行すれば、国内情勢
が混乱する恐れもある。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　しかし、今回の爆弾テロで国際社会ではインドネシアにテロ対策
強化を求める声が一層強まっている。今月末に国内で開催されるイ
ンドネシア支援国会合でも支援国がこの問題を取り上げるのは確実
。メガワティ大統領はテロ対策をめぐって瀬戸際に立たされている
。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
（了）　　０２１０１５　１６４４　　　　　　　　　　　　　　
[2002-10-15-16:44]

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