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防衛庁は12日、来年度から情報本部に国際テロに関する情報収集や分析などを担当する専門チームを新設する方針を明らかにした。石破茂長官は「テロは警察の役割」としてきた防衛庁の方針を転換する姿勢を打ち出しているが、防衛庁が公式に公安業務に乗り出す第一歩となる。
防衛庁の計画では、専門チームは情報本部全体を強化する一環で、分析部内に新設する。自衛官を中心に10人前後で構成し、国内外のテロ組織、テロリストのほか、多国間にまたがる政治や軍縮に関する情報を収集、分析する。情報収集の手段は、各国の日本大使館などにいる防衛駐在官、公刊資料、米軍からの提供などという。
防衛庁はこれまで、テロ活動を犯罪行為と位置付け、自衛隊の任務ではないと説明してきた。95年の地下鉄サリン事件でも、自衛隊は災害派遣の枠組みで出動。情報収集も国際軍事情勢が中心で、犯罪行為は対象外との見解を示していた。
だが、米国が昨年の同時多発テロを「新たな戦争」ととらえ、防衛庁も既存の概念を超えたテロの脅威にどう対応すべきか検討していた。石破長官も就任直後の共同インタビューで、テロ対策で自衛隊が積極的に警察権の範囲に乗り出す姿勢を示している。
一方、戦時中、旧陸軍のスパイ活動によって、憲兵隊が米英との和平を唱えていた吉田茂(後の首相)を逮捕したとされる事件などもあり、防衛庁が公安業務を行うことには、シビリアンコントロールの観点から慎重な見方も出そうだ。
防衛庁は「多様な事態に対応する必要がある。既存の方法で情報を集め分析するもので、実動部隊を設けたりスパイ活動などはしない。テロに関する一義的な役割は警察と認識しており、問題はない」と説明している。
【宮下正己】