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10/10 16:26 軍がフセイン政権打倒も イラク人は米の真意に疑念 外信58
共同
一九九○年八月のイラクのクウェート侵攻(湾岸危機)の際、イ
ラク軍参謀総長の要職にあり、その後、母国を脱出、デンマーク東
部の町ソロで暮らすイラク反体制派のニザル・ハズラジ氏は、イラ
ク人による新政権樹立などが確約されれば、イラクの軍と民衆は米
国と協力してフセイン政権打倒に立ち上がると語った。(ソロ共同
=船津靖)
―クウェート侵攻後、参謀総長を解任されたのはなぜか。
「侵攻は全く寝耳に水だった。共和国防衛隊など、フセイン大統
領が直接指揮する部隊だけで極秘に実行された。九○年九月十八日
に大統領主催の会議で『国際的な対イラク包囲網との間で戦争にな
り、国を失う恐れがある』と報告したら、翌日解任された」
―なぜ出国したのか。
「解任の事情は軍内部に広く知られ、その後の状況が予告通りに
推移したこともあり、大統領は私を殺せなかった。だが、自宅軟禁
で厳しい監視下に置かれた。九六年に周到な準備をした上で脱出を
決行した」
―今後のイラク情勢をどう見るか。
「イラク国民と軍は、米国などからイラクの主権尊重、領土保全
、制裁解除、国際支援、イラク人代表による新政権樹立などが確約
されれば、フセイン政権打倒に立ち上がる」
「問題は、米国の政権内からイラクの社会基盤の徹底破壊、長期
占領、石油施設の無期限管理といった声が聞こえてくることだ。米
国への疑念を抱かせ、イラク国民のための体制転換への障害になっ
ている」
―このままで対イラク攻撃が行われたら。
「米軍がイラクを簡単に占領、情勢を安定させられると思うのは
非現実的だ」
―新政権に加わるか。
「私は職業軍人。軍人として現政権打倒と暫定政権樹立に協力し
たい。悪い遺産を取り除き、総選挙を実施し、新議会に憲法起草委
員会を設けて立憲政治を目指す」
―あなたは参謀総長の時、化学兵器によるイラク北部のクルド人
大量虐殺に関与したとして、戦犯訴追を求める声がある。
「中傷だ。イラク脱出を助けてくれたのはクルド人。クルド民主
党とクルド愛国同盟の代表はデンマーク法務省に、私が虐殺とは全
く関係のないことを示す書簡を送った。クルド人代表の二人とは今
も電話で密接に連絡を取っている」
▽略歴
ニザル・ハズラジ 1938年生まれ。88―90年イラク軍参
謀総長。96年ヨルダンに脱出、98年スペインに。99年家族と
デンマーク在住。亡命申請中。米国によるフセイン政権打倒後の指
導者候補の一人とみられている。63歳。
(了) 021010 1625
[2002-10-10-16:26]