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【ニューヨーク上村幸治】米ニューヨークの国連本部で3日午後1時過ぎ、男が正面玄関付近の壁を乗り越えて敷地に入り、本部ビル(39階建て)に向けて短銃を7発発砲した。このため、18階の女子トイレの窓ガラスが割れ、20階部分の壁にも穴が開いたが、けが人はなかった。男はその後、銃を捨てて外に出ようとしたところを、米国の警官や国連の警備員に取り押さえられた。国連本部ビルに向けた発砲事件は、45年の国連発足以来、初めて。
男はアジア系の米国人、スティーブ・キム容疑者。50代後半で、イリノイ州に住む郵便局職員だと自供している。
北朝鮮の人権改善を訴えるビラをまいており、警察当局は国連を利用して政治宣伝を行うのが目的だったとみている。
ビラは「自由と正義を愛するすべての人に」と題した手書きのもので「北朝鮮の人々は、飢えと独裁体制の抑圧に苦しんでいる。あらゆるものがもっとも偉大な金正日(キムジョンイル)将軍に捧げられて以来、最も基本的な人権すらない」と書かれ「国連市民スティーブ・キム」という署名があった。
男が短銃を乱射した時、国連ではイラク問題を議論する安全保障理事会が開かれており、世界各国から記者約50人が集まっており、一時騒然となった。(毎日新聞)
[10月4日11時30分更新]