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「生物化学兵器テロの脅威が高まっています」と、CNNニュース(2日)の冒頭、女性アナウンサーが言う。何事があったのかなと思ってテレビを見ていたら、第2次大戦中の中国の村落風景が映し出された。古い白黒画面だ。そこへ旧日本軍の航空機と航空隊兵士の写真が重なる。「41年から45年にかけて、日本の細菌戦を実行する731部隊が、中国でペスト、コレラ、赤痢、炭疽菌など何千キロもの細菌を使って実験を行い、27万人の中国人に恐ろしい被害を与えました」――ざっとこういったナレーションが続く。犠牲者の遺族へのインタビューも挿入される。何と、戦時中の石井部隊の極悪非道ぶりを今ごろ改めてとり上げているのだ。番組のソースは中国中央テレビのレポートだという。昔の話を持ってきて何が「脅威が高まっている」だ。こうしてCNNは、ブッシュ政権の情報操作に巧みに協力しているのである。
さらに「この細菌部隊の存在を、日本は戦後ずっと隠してきました」とアナウンサーは続ける。何というしらじらしさだ。日本政府が隠してきたのは本当だが、より重要な秘匿された事実を、CNNは報道しない(当然だが)。それは、終戦直後、米軍が731部隊の極秘データを本国に持ち帰り、その替わりに部隊の幹部を特別の計らいで戦争犯罪人リストから除外したという事実だ。内藤良一軍医ら幹部はノウノウと生き延び、その後製薬会社「ミドリ十字」を創業した。薬害エイズ事件を引き起こし、刑事罰に問われたスキャンダル会社だ。
話が脱線したが、CNNのブッシュ政権寄りの大衆操作は、小生が気付いた例としてもう一つある。2ヶ月ほど前だが、イラク関連のニュースで、フセイン大統領が会議場で演説している場面が、いきなりアルカーイダの兵士たちがアフガニスタンの山岳地帯でテロ訓練している場面に切り替わった。何の前触れなしにである。CNNがアフガニスタンで入手したという、9・11以前のアルカーイダやビンラーディンの姿が映っている60本のビデオテープの1本だ。明らかに、フセインとアルカーイダを関連づけようとするイメージ戦略である。こんな例はほかにもいくらでもあるだろうと思われる。
CNNは、一時アルカーイダの訓練風景を繰り返し放映していた。さすれば、この訓練施設を造ってアルカーイダに提供したのはアメリカのCIAであるという事実をもなぜ報じないのか(嘲)