現在地 HOME > 掲示板 ★阿修羅♪ |
|
米国によるイラク攻撃の可能性が高まる中、米英軍が飛行禁止空域に指定しているイラク北部に入った。米軍が攻撃拠点にするとうわさされるクルド人自治区とは隣り合わせ。軍の主力はすでにバグダッドに移っているとの話も聞いた。人々の口は重く、あきらめにも似た雰囲気が漂っていた。
バグダッドの北約400キロに位置するモスルは、チグリス川が街を貫く穀倉地帯。湾岸戦争後、国連の保護下に入ったクルド人自治区に接するイラク側の拠点だ。
「米国の軍事力は強大だが、真のスーパーパワーはアラー(神)である」。28日、金曜礼拝でモスクに集まった人々に、イスラム教指導者はこう語りかけた。だが、宗教で多民族・多宗派国家を守るのは不可能に近い。
モスルの雑貨商の老人は「すでにイラン、米国と、2回も戦った。もう1回戦争があっても失う物はない」と話した。軍事情報に関して、イラク人の口は堅い。ガイド役のモスル州の役人、ハッジ・サアドさん(45)は「そんな話はできません」と下を向く。
イラク在住のアラブ情報筋などの話を総合すると、米英軍は通常のイラク軍監視飛行以上の作戦をすでに進めているようだ。過去1カ月の間にイラク北部、西部、南部3カ所のレーダーなど対空防衛網を空爆し、大きな打撃を与えたという。
また、トルコ国境に近いクルド人自治区内では、米英軍がすでに3カ所の軍用滑走路を確保した模様だ。アフガニスタン攻撃同様、武装ヘリコプターや対地攻撃機の発進基地として使われる見通しだという。
モスルからさらに約45キロ北上すると、クルド人自治区との境界に突き当たる。雑貨や食料を満載したトルコのトラックがひっきりなしに通る。だが、イラク側のチェックはほとんどない。イラク軍の監視ポストはいくつかあったが、大規模な部隊が守りを固めているようには見えなかった。
クルド人自治区との境界に沿って中部の油田地帯キルクークまで車で走った。その間、イラク軍の装甲車を見たのは1回だけ。アラブ情報筋によると、イラク軍の精鋭を集めた共和国防衛隊の主力は、北部防衛から首都バグダッドの防衛任務に移ったという。
(08:57)