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イスラエル軍によるアラファト自治政府議長の監禁は27日で9日目に入った。内部からの情報では、議長はともに立てこもっている約250人の自治政府関係者らを励まし、閣僚にも電話で指示を与えながら消耗戦に耐えているという。イスラエルのシャロン首相は国際的な批判に背を向けて監禁を続けているが、「これ以上は逆効果」との声も出始めている。
250人のうち、イスラエルが引き渡しを求めている「テロ容疑者」20人には、西岸の公安警察長官タウフィク・ティラウィ氏、その右腕とされるエイニ・アルハロ氏、議長警護隊「フォース17」のトップ、ムハマド・ダムラ氏らが含まれているという。
議長府の建物は今年3月の包囲と19日以降の破壊活動で、アラファト議長らがいる執務棟を除いてほぼ全壊した。3階建ての執務棟は階段が破壊され、議長ら約250人は2階部分にある執務室など約400平方メートルのスペースに缶詰状態。内部からの情報では、議長はほかの人と同様に、一日1食、缶詰などを食べ、床に寝る生活だ。
自治政府筋によると、73歳と高齢のアラファト議長だが、疲れこそ見せているものの、健康状態は良好だ。11日に総辞職した自治政府閣僚にも携帯電話で指示を与え続け、「降伏することはないから安心せよ」と話したという。パレスチナ紙アルクドスは「議長府内を歩き回り、時には冗談を言いながら明るい雰囲気づくりに務めている」と報じている。
26日のハアレツ紙は、和平派のイスラエル野党労働党出身の複数の閣僚が「軍は作戦を打ち切るべきだ」と語ったと報じた。うち一人は、「軍の作戦はアラファト議長を孤立化させるどころか、その地位を高めている」と述べたという。25日夜のテレビニュースは、複数の軍幹部がシャロン首相とベンエリエゼル国防相に「成果が得られないまま進退きわまるおそれがある」と上申したと報じた。
イスラエルが3月末から1カ月余、アラファト議長を監禁した際は、追いつめられながらも徹底抗戦する姿がかえって議長のカリスマ性を高めた。今回もアラファト支持の大規模なデモが各地の自治区で起き、議長の動静が世界の注目を集めている。常に議長の影響力をそぐことを考えてきたイスラエルの立場からすれば、まったくの逆効果で、それが監禁作戦を疑問視する声につながっている。
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