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東アフリカのスーダン共和国では、1955年の内戦勃発以降、わずかな停戦期間を除き内戦が継続してきた。本年7月のケニア共和国における和平交渉にて、スーダン政府とスーダン人民解放軍(SPLA)との間で和平に向けた合意がなされたが、現在も内戦の状態が続いている。
赤十字国際委員会(ICRC)は同国においてスーダン赤新月社と協調し抑留者訪問・保護、安否調査、飲料水供給・衛生環境整備、医療支援等の紛争犠牲者救援事業を行っており、2001年の年間支援計画予算は3,635万スイスフラン(約30億円)にのぼる。
特に医療支援には、同予算の大部分が投じられており、医療支援の中核をなす、スーダン国境より約20km離れたケニア共和国北部ロキチョキオのICRCロピディン病院では、戦傷者及び外科的処置を必要とする患者への医療活動が行われている。
ロピディン病院の歴史は、1987年にケニア政府の要請を受けたICRCが40床の病院を設置したことに始まる。現在では560床の病棟を有し手術室、ICU(集中治療室)、8つの病棟、検査室、レントゲン室、義肢製作センター等、病院として充分な設備が整えられ、海外派遣要員、現地職員等約180名が活動し年間4,000件の手術が実施される戦傷外科病院である。
患者は主にスーダン南部から飛行機で搬送されるが、受傷後にある程度の時間(場合によっては数週間)が経過して来院することから、外傷から感染している事例が多い。受傷理由は戦傷(銃、爆弾、地雷によるもの)が主であるが、動物(蛇、獣等)による咬傷、熱傷、熱帯性潰瘍等もみられる。
ロピディン病院は主にSPLA側からの患者を対象に外科治療を行っているが、ICRCはスーダン国内で政府保健省が管理するジュバの病院への医療支援も実施しており、スーダン政府側の患者を受入れることにより赤十字の原則である中立を保つよう努力している。