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米、日朝首脳会談前後の情勢分析
拉致謝罪に不満 金総書記と確執
【ロンドン21日=野口裕之】英米情報筋は二十一日、日朝首脳会談前後の情勢を分析した米政府が、北朝鮮での軍部によるクーデターの可能性を懸念、偵察衛星による朝鮮半島の監視を強化している実態を明らかにした。
同筋によると、米政府は韓国の金大中大統領やロシアのプーチン大統領が二年前の夏に訪朝した際には軍高官が制服姿で多数出迎え、会談の席上にも認められたのに対し、日朝首脳会談ではほとんどその姿を確認できなかったことなどに注目。「ソフトムードへの演出」であることを認める一方で、軍高官と金正日総書記との間に「拉致問題の扱い」をめぐって溝が深まっているとの見方を示した。
その理由について、同筋は「拉致は一九七〇年代後半から八〇年代前半という金日成体制下で実行された。当時、金総書記もこうした工作活動を知る立場にあったが、具体的なすべての指令や日本人の死亡などの情報を伝えられていたとは限らない」と述べた。
さらに「そうした経緯で拉致問題に関して金総書記が軍の反対を押し切って安否情報を出し、責任者の処罰とおわびを発表したとすれば、軍には大きな不満が残る」と説明した。
英米情報筋はまた、「米大統領の場合、米中央情報局(CIA)が要人暗殺を謀る際は説明を受けるが、工作のすべてを知っているわけではない」としたうえで、「“裸の王様”の金総書記ならなおのことで、実権の掌握後、しばらくは末端工作までは知らなかった可能性がある。金総書記は現在も、三軍で百万を超す軍をおさえ切れるのかどうか、緊張しているはずだ」と分析した。
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≪能登沖工作船 工作員収容が目的≫
一方、同筋は今回の首脳会談に先立ち能登半島沖に出没した四隻の工作船について、日本国内で活動していた工作員を引き揚げさせるための船だったと、日米両政府が工作船の交信内容から分析していると証言した。
同筋によれば、米軍事偵察衛星情報で明らかになった工作船四隻は、北朝鮮側と「これより収容を開始する」という内容の交信をしていたもようだ。日米両政府では、そうした交信内容やその後の北朝鮮の動向を傍受・分析した結果、北朝鮮側が(1)八月以前に、首脳会談での「工作船の再発防止」を約束する方針を決めた(2)工作船が首脳会談以降も目立っては得策ではないと判断(3)首脳会談を控えた八月末に工作船を出港させ、日本国内に送り込んだ工作員の可能な限りの引き揚げを決行した−との結論に達したという。
一連の金総書記の方針は「拉致」と「工作船」という軍情報機関の“功績”を事実上否定したことから、「米政府は軍部によるクーデターの可能性も否定していない」(同筋)という。