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【エルサレム海保真人】
イスラエル軍によるヨルダン川西岸ラマラのパレスチナ自治政府議長府の包囲は21日も続いた。アラファト自治政府議長は自分の「城」である議長府施設を集中的に破壊され、これまで以上の窮地に陥っている。シャロン・イスラエル政権はアラファト議長を自発的な「追放」に追い込もうとしているとの見方もあり、自治政府は改革どころではない事態を迎えている。
イスラエル政府は、事態を懸念したハマド・カタール外相に「アラファト議長を傷つけはしない」と約束したとされる。しかし、21日深夜には議長の直近を戦車で砲撃、不測の事態をも憂慮させている。
かつては城塞のように屈強な場所で知られた議長府は、今春に続くイスラエル軍の猛攻を受け、ぼろぼろの状態だ。特に今回は、議長の執務室がある本棟以外の建物・施設はほとんどすべて破壊され、議長をはじめ側近、警護隊の行動範囲は完全に本棟の一角だけに狭められた。
イスラエル・メディアの中には、今回の軍事策の最終目的は、議長に議長府での執務と生活を耐え難いものにさせ、自発的に別の場所へ移動させることにある、見る向きもある。つまり事実上の「追放」だ。
19日夜の政府閣議で却下されはしたが、シャロン首相が目指しているのは「ガザ自治区への追放」とされる。閣議後に政府が発表した声明では、アラファト議長を名指しし「テロの連携を創設し、統率した」と恨みを込めて非難した。現場の軍司令官の1人は、指名手配者約20人が「議長府を隠れみのにしている」と強調、投降しない場合、「強行突入も一つの選択肢だ」と示唆している。
内外から改革を求められたアラファト議長は今月11日、6月に刷新したばかりの自治政府内閣の総辞職を決定、25日までに新たな閣僚を任命する予定となっている。また、来年1月20日に議長選挙と国会に相当する評議会選挙を実施すると発表した。しかし、イスラエル軍が続ける自治区制圧策のあおりで、選挙準備は一向に進んでいないのが実情で、改革の動きは頓挫しかかっている。