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09/12 17:04 クルド人スタッフに動揺 イラク北部で活動のNGO 外信65
共同
米国によるイラク攻撃に関する情報が飛び交う中、同国北部のク
ルド人自治区では、十年以上前にイラク軍の化学兵器攻撃で受けた
傷がいまだに癒えていない。現地で人道援助を続けている日本の非
政府組織(NGO)のクルド人スタッフの間でも「また攻撃される
のでは」と動揺が広がっている。
「米軍の攻撃が始まったら私たちはどうすればいいんだ」。一九
七○年代からの内戦とイラク政府による迫害で荒廃が進み、人口約
四百万人のうち60%が貧困層とされる自治区で、九六年から援助
を行っている「ピースウィンズ・ジャパン」(本部東京)の現地責
任者、岸谷美穂さん(26)はある日、クルド人スタッフ数人に詰
め寄られた。
米軍の攻撃が迫れば、反体制派クルド人はイラクから攻撃を受け
る可能性が高い。スタッフの間には唯一の日本人常駐スタッフの岸
谷さんが国外に避難し、NGOの活動が止まるのではないかとの不
安もある。
イラン・イラク戦争末期の八八年三月にはイラン側に協力したと
して、イラク軍が自治区南部を化学兵器で空爆し、多くの住民が死
亡。現在も、自治区住民のがん発生率は近隣諸国の四―六倍とされ
、化学兵器の影響が疑われている。
クルド人スタッフの不安は「化学兵器の恐怖に加え、衛星テレビ
やインターネットで毎日のように伝えられるイラク攻撃関連の報道
からきているのだろう」。岸谷さんは説明する。
九一年の湾岸戦争後にはクルド人がイラクのフセイン政権打倒を
目指して蜂起したが、「内政不干渉」を理由に支援しなかった米国
に裏切られたとの思いもある。「クルド側が米軍に協力しても本当
に守ってもらえるのか疑心暗鬼になっている」(岸谷さん)という
。(共同=伊藤仁志)
(了) 020912 1703
[2002-09-12-17:04]