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「不審船撃沈事件」をめぐって“暴走する”防衛庁&警察幹部そして「読売新聞」 投稿者 あっしら 日時 2002 年 9 月 12 日 20:15:03:

昨日引き揚げられた「撃沈不審船」をめぐる報道は、船内に存在するはずの遺体をまったく無視するのみならず、「北朝鮮工作船」説の補強に満ちているようだ。

「読売新聞」の記事内容が“事実”だとすれば、防衛庁や警察のある幹部は、政府の意志を勝手に乗り越えて、日本国の外交すなわち日本国を危うくする妄動を平気で行っている。

戦前の日本外交において、一部の陸軍将尉官が、参謀本部や天皇の指揮命令や意向を無視して、指揮下の部隊を使い戦線を拡大していった歴史的現実をご存じであろう。

「撃沈不審船」に関して政府の判断を待たずに、あれこれ「北朝鮮工作船」説を報道会社に垂れ流している防衛庁及び警察の幹部は処分されなければならないし、それらの発言を自社の“政治的主張”に利用している「読売新聞」は報道機関としての体をなしていないと断定する。
(政治的主張というのはちょっとホメすぎになるので、「好き嫌いの主張」に訂正する)

※ 社長のナベツネ氏もご存じだと思っているが、「読売新聞」の政治部などは、「撃沈不審船」が北朝鮮船籍ではないことを知っている。

『『読売新聞』は信念に基づき「撃沈不審船」=中国人保有船説を主張したらどうだい!』
http://www.asyura.com/sora/war8/msg/201.html

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不審船の国籍特定タイミングに腐心、訪朝へ影響懸念  [読売新聞]


 海上保安庁が奄美大島沖に沈没した不審船を引き揚げたことを受け、政府は今月中にも不審船の国籍を特定し、北朝鮮籍と判明した場合、北朝鮮に抗議する方針だ。ただ、17日に小泉首相訪朝を控えている上、その後は日朝国交正常化交渉の再開の動きが出てくる可能性が高いため、政府は対応に腐心しそうだ。

 福田官房長官は11日夕の記者会見で「船の詳細な調査で真相を徹底究明し、対策を充実させて国民の安全に万全を期す」と強調した。政府筋は「国籍が判明すれば、抗議するのは当然だ」と語った。

 しかし、政府は不審船への対応に神経をとがらせている。外務省幹部は同日、「北朝鮮の船らしいというのは政府の公式見解でない。首相が金正日総書記との首脳会談で、奄美沖の不審船について何を言うかは決まっていない」と慎重な言い回しで語った。

 首相は当初、首脳会談で奄美沖事件に限定しない形で不審船問題を取り上げ、「重大な懸念」を示す方針だった。だが、「明らかな証拠が出てテレビでも放映されれば、個別に取り上げざるを得ない」(政府筋)との見方が出ている。

 首相が奄美沖事件に言及しないと、与党などから「拉致(らち)だけでなく、不審船でも毅然(きぜん)とした対応が必要だ」との批判が噴出することも予想される。

 首脳会談で拉致事件が解決に向けて進展し、国交正常化交渉が再開に向かう場合、「国籍の特定―抗議」のタイミングの判断が難しくなる。「日朝関係改善の流れが出てきた時、北朝鮮への抗議を求める声が高まると、ムードに水を差す」(首相周辺)からだ。外務省幹部は「不審船を引き揚げ、事実を解明するのは政府の既定方針」と首脳会談への影響を否定するが、北朝鮮側の出方は読み切れていない。

(9月11日22:39)
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船籍特定後、抗議の是非は慎重判断…不審船で政府 [読売新聞]


 政府は11日、鹿児島県・奄美大島沖に沈没した不審船の引き揚げを受け、船籍の特定作業を進める一方で、船籍特定後の対応については慎重に検討する構えだ。

 政府内では、不審船の船籍について、「装備品などからみて北朝鮮であることに間違いない」(防衛庁幹部)と見ているものの、正式な特定は、安全確認などに時間がかかることを理由に、20日以降の不審船の陸揚げ以降に先送りする方針。17日の日朝首脳会談を控え、「不審船問題で日朝関係が暗礁に乗り上げるのは避けたい」(首相周辺)との判断があるためだ。

 船籍特定後、北朝鮮に抗議するかどうかも、訪米中の小泉首相が帰国してから慎重に判断する。

 一方、中国の排他的経済水域(EEZ)内に沈没した不審船引き揚げ作業に対して、中国側は、中国漁船が現場海域で操業できないことを理由に日本側に補償を要求。政府は「引き揚げ作業が終わることで、中国側も損害額をまとめるだろう」(外務省筋)とみており、中国側との協議を早急に進めたい意向だ。

(9月11日13:58)
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「もう不審船に負けない」電波傍受、衛星情報で優位に [読売新聞]


 引き揚げが終わり、陸での検証を待つ東シナ海の不審船。1981年の工作員侵入事件で、日本側が暗号を解読していたことが北朝鮮側に知られて以来、不審船の水際摘発は途絶えていたが、90年代に入ってからは、日米の電波傍受、衛星情報の警戒網が張り巡らされ、再び取り締まり側が優位に立ちつつある。数十年にわたる海保・警察当局VS不審船の戦いを追った。

 「あの男も、あんな船で日本に来たのか」。東シナ海で、11日、クレーンが持ち上げた不審船の映像を見た宮崎県日向市の川野正利さん(75)は、21年前の事件を思い出した。

 81年6月、日向海岸で民宿を営む川野さんは浜辺で初老の男を見つけた。自殺志願者と勘違いした川野さんは110番通報した。

 79年7月に平壌で、「日本の同志の指揮・監督」を命じられたその男は工作船に乗り込み、日向海岸の沖合で子船に乗り換えた。浜辺に近づくとゴムボートに移り、闇に紛れて上陸した。日本の工作員の頂点にいた男は、逆コースで母国に戻るはずだった。だが、台風で海が荒れ、直前に回収作戦は中止。男は2昼夜を過ごした末、白昼の浜辺に迷い出た。

 「捕まったら死んだも同然」と男は取り調べに応じた。60年前後から、日本近海で目撃され始めた「不審船」が工作員運搬に使われていたことが、当事者の供述で初めて裏付けられた。県警幹部は「男は北朝鮮の南浦港を出て、上海沖を経由して東シナ海を渡ったと話した。供述に興奮して体が震えた」と回想する。

 事前に情報を察知した捜査当局が、工作員の上陸を待ち伏せたこともあった。

 81年3月。富山湾岸の無人駅でウイスキーを飲んでいた男に、張り込み中の捜査員が近づいて声をかけた。「ちょっと話を聞かせてくれませんか」

 その男は偽造の外国人登録証を持ち、腹巻きに200万円を隠していた。しかし、調べには応じず、高岡市内の8階建てビルから飛び降り自殺した。男は不審船で上陸したとみられる。その年の8月にも、秋田・男鹿半島の海岸で、ゴムボートで上陸しようとした在日韓国人が逮捕され、北朝鮮で思想教育を受け、工作船で帰国したことを認めた。

 60年代から北朝鮮の暗号放送の傍受を続け、「作戦実施」の内容解読に成功した警察が、海岸に捜査員を配置した成果だった。しかし、このことを報道されると、暗号は変わり、解読不能になった。

 不審船の任務は工作員の運搬や回収だけではない。富山県警幹部は「アベック襲撃や拉致(らち)事件が、不審船と結び付くとは、誰も想像さえしなかった」と振り返る。

 78年8月の夕刻。富山県の海岸を散歩していた男女が4人組の男に襲われ、林に引き込まれた。犬がほえたため、4人組は逃走。2人は危うく難を逃れた。この時、警察の無線傍受網が、富山湾岸で不審船が発したと見られる特有の電波をとらえていたが、襲撃事件と関係していることを見破る捜査員はいなかった。

 だが、4人組が遺留したさるぐつわは「北朝鮮製の可能性がある」と鑑定され、言葉が外国人風だったことも判明。さらにこの年、新潟、福井、鹿児島の3県で、相次いでアベック拉致事件が発生、事件前後に、近海で不審船情報があったこともわかった。警察庁が不審船による拉致との見方を強めたのは、80年前後だった。

 90年代後半からは不審船による覚せい剤取引も相次いでいる。だが、日米協調による監視体制の強化と、電子・電波情報の発達が、不審船対策で後手に回っていた海保・警察当局の追い風になる。

 98年8月、日本の密輸グループが東シナ海で、北朝鮮の船から300キロの覚せい剤を受け取った事件では、米軍の哨戒機が船の撮影に成功し、北朝鮮の工作船と断定された。昨年12月に沈没し、今回引き揚げられた不審船も、米国衛星や警察の無線傍受網、自衛隊のP3Cなどの情報が集約され、海保の巡視船が追いついた。

 警察幹部は言う。「今回も子船が発見され、工作員の活動は続いている。だが、船体の検証で新たな情報も加わる。今は再び不審船に負けない体制が整いつつある」

(9月12日15:48)


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