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米中枢同時テロから一年の十一日、広島市内で座り込みやデモ、集会、アート展が相次いだ。ともに「グラウンド・ゼロ」(爆心地)を抱える被爆地とニューヨーク。テロ犠牲者を悼む祈りに、テロも報復もない平和への願いが重なった。
●座り込み
広島県原水禁などは正午すぎ、中区の原爆ドーム前に約百人が座り込んだ。犠牲者に黙とうをささげ、宮崎安男代表委員が「空爆で命を失ったアフガニスタンの人たちも忘れてはいけない。報復を許さず、平和を構築する誓いの日にしたい」と訴えた。
●デモ
同じころ、広島県原水協や同県被団協(金子一士理事長)などの約二百人が市中心部をデモ行進。テロと報復戦争の犠牲者に黙とうし、「戦争によってテロ根絶はできない」とする要請文をブッシュ米大統領に送った。
●メッセージ
秋葉忠利広島市長は、ニューヨーク市長に「多くのアメリカ市民が、私たちとともに和解への道をひらき、平和と人道の世紀へと導く灯明となることを願う」との追悼メッセージを送った。市職員は午後五時、テロの犠牲者のめい福を祈って一分間の黙とうをした。
●アート
中区の旧日銀広島支店では、全国の若手アーティスト約四十人による作品展「YEN 同時触発アート」が始まった。
被爆建物の地下の壁に、市内の十代が平和について答えたアンケートと、回答者が描いた花の絵を対にした約二百三十枚が並ぶ。暗闇にアウシュビッツのガス室の写真を投影した部屋などが、戦争への拒絶感と平和への願いを表現する。二十九日まで。
●キャンドル
夕刻、暮れなずんだ原爆ドーム前に、キャンドルを手にした佐伯区の土井桂子さん(57)ら十七人が集まった。この一年間、毎週欠かさず有志が続けてきた平和の集い。
カナダ人で元牧師のバブ・マクウィリアムスさん(81)が「祈りましょう。亡くなった人のために」と促し、追悼をささげた。ジョン・レノンの「イマジン」などに平和への思いを乗せ響かせた。
●シンポジウム
同じころ、中区の原爆資料館東館では、「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」主催の集会。今年四月、被爆地からの平和使節団としてニューヨークの「グラウンド・ゼロ」を訪れ、テロ犠牲者遺族と交流した大学生の荊尾遥さん(20)たち四人が、報復の連鎖を断ち切るヒロシマの役割について意見を交わした。
終了後、参加者たちは近くの原爆慰霊碑前へ。キャンドルの明かりを揺らしながら、平和を祈り、誓った。
(12日13時11分)