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09/10 16:25 リゾートにテロの恐怖拡散　コロンビアのカリブ海岸　外信50
共同
　コロンビア最大のリゾート、カリブ海岸のカルタヘナで八月、爆
弾テロが続発、同市が初めて左翼ゲリラ、コロンビア革命軍（ＦＡ
ＲＣ）に攻撃され、市民の間でテロへの恐怖と怒りが広がっている
。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　対ゲリラ強硬派のウリベ大統領が八月上旬に就任、ＦＡＲＣは全
三十二州を巻き込んだ政府との全面戦争を準備している時だけに、
地元政府側は年間約百五十万人の観光客を迎えるリゾートの防衛に
躍起となっている。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　スペイン植民地時代から有数の貿易港として栄えた城壁都市、ボ
リバル州カルタヘナ。八月五日、人口約九十万人の町の旧市街の大
聖堂に面した州政府庁舎で、知事執務室の上の三階の部屋が爆破さ
れ、職員三人が血まみれになった。ＦＡＲＣの犯行だった。　　　
　「この町だけは攻撃されないと思っていたのだが。観光のみなら
ず、わが国最大の港湾都市を守らなければならない」と、ルイス・
バルガス州知事（４３）は唇をかむ。　　　　　　　　　　　　　
　同国の輸出入貨物量の半分以上を扱う同市は植民地時代の一八一
一年、いち早く独立を宣言して、他州が追随、独立運動の発火点と
なった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　歴史と通商の都市であると同時に、非同盟諸国会議首脳会議や中
南米、スペイン、ポルトガルによるイベロアメリカ首脳会議などが
頻繁に開かれ、首脳外交の場ともなってきた。治安当局筋によると
、ＦＡＲＣも国際的な非難を恐れてか、これまで攻撃を見送ってき
た。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　だが、州政府庁舎爆破後も電力会社への爆弾テロや、爆弾搬送中
のＦＡＲＣ兵士が誤爆死する事件などが続いた。　　　　　　　　
　強硬派大統領との対決姿勢を鮮明にするための「軍事パフォーマ
ンス」（カルロス・レドンド市長）との見方もあるが、国家警察筋
は「今後大規模なテロがないとは断言できない」と話す。　　　　
　爆弾テロだけではない。「知事を辞めなければ家族ともども皆殺
しだ」。地方行政組織の破壊を狙うＦＡＲＣは、約三カ月前、バル
ガス州知事に電話やファクスで辞任を強要した。　　　　　　　　
　知事は「脅迫には屈しない」と強調する一方で、同市に入る四つ
の主要幹線道路での検問を強化し、中心街には自動小銃を手にした
迷彩服姿の軍人を多数配備し、警戒に当たらせている。（カルタヘ
ナ共同＝名波正晴）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
（了）　　０２０９１０　１６２４　　　　　　　　　　　　　　
[2002-09-10-16:24]

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