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アメリカとサウジアラビアに「離婚」の危機が訪れている。もともと両者の関係は便宜的なものだったが、今回は莫大な金がからんでいるため深刻だ。
米国防総省の諮問委員会では7月、サウジを「敵国」と位置づける報告が行われた。8月には弁護士のロナルド・モトリーが、同時多発テロの遺族を代表してアラブ系の銀行やサウジ王族に3兆ドルの損害賠償を求める訴訟を起こすと発表した。
摩擦が深刻化すれば、原油価格は数週間以内に1バレル36ドル以上に高騰すると予想する専門家もいる。推定6000億ドルに及ぶサウジの対米投資が引き揚げられる可能性もある。
両国が「石油の絆」で結ばれていることは、どちらの指導者も理解している。アメリカは世界最大の石油消費国で、サウジは世界最大の石油輸出国。価格の安定は双方の利益になる。
原油を自由に増産できるサウジは、緊急事態には増産して市場の高騰を防いできた。同時多発テロ後に対米輸出量を1日50万バレル増やしたのがいい例だ。
だが米国民は、そうした「思いやり」に気づいていない。覚えているのは、テロ実行犯の大半がサウジ国籍だったことだ。
テロ遺族の訴訟では、アルカイダと関係があるとされるサウジの慈善団体に寄付した疑いで、ファハド国王の弟で国防航空相のスルタン皇太子も訴えられている。「彼は最も親米的な皇太子の一人だったが、今や最も反米的な皇太子になってしまった」と、王族に近い筋は言う。
サウジとしては、原油価格の上昇を放置することが一番の対抗策かもしれない。そうすれば、アメリカで中間選挙が行われる11月にはガソリンが1ガロン1.70ドル台まで高騰する可能性もある。アメリカの指導者は、「今すぐ仲直りしたい」と言ってくるかもしれない。