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(回答先: Re: 埋蔵量5千万バレルの油田発見 北朝鮮〔産経新聞〕 投稿者 怠け者 日時 2002 年 8 月 30 日 08:56:48)
石油連盟資料を見ましたが、5千万バレルの埋蔵量は北海油田の
約25分の1くらいです。この油田(油床)では大した事無い。
因みに北海油田の埋蔵量は14,377,00万バレルで、今の採掘速度
であれば7年後に無くなる計算です。
石油が発見されたと言っても、大事なのはその採掘と運搬設備で、海底油田であればパイプラインや人工島などの設備投資が
高くついて、設備費用を償却して採算ラインに乗るまでが長く
かかるわけです。その点では中国で苦労しているのは採掘しても
パイプラインという運送手段がなく、鉄道かトラックのタンクローリーで原油を運搬しています。これでは採算割れです。
しかも原油の油質は流動点が30度以上、つまり常温ではチョコレートと同じ硬さですからパイプを通してタンクやタンカーに流すには加熱し続けなければなりません。
原油でも、場所や採掘のインフラの違いでコストが極度に高くなったりしますので、石油が発見されたといってもすぐに役に立つというものではなく、石油が発見されたと言っても採掘とパイプラインの設備投資を考えればむしろ敬遠される原油もあるわけです。因みに採掘コストが最も安い原油はペルシャ湾岸諸国の原油
で日本の原油輸入の80%近くです。
主要湾岸諸国の可採年数はクウェート155年、UAE146年、サウジアラビア106年、イラク157年。その他として
アメリカ10年ロシア19年、中国20年です。世界中でイラクがダントツに可採年数が長いのは経済制裁による生産量の落ち込みによるわけですが、この点でもアメリカがイラク攻撃でイラクの石油をコントロール下におけば、アメリカは世界中の石油の半分を手に入れられます。日本ではすでにCO2発生の少ない天然ガスでの発電に切り替えているものの、アメリカが中東で石油供給をコントロールすればアジア諸国はひとたまりもないですね。
例えば日本の原油最大輸入元のUAEは輸入量全体の25%に
なりますが、UAEの原油輸出全体の日本への輸出の比重はわずか5%でしかない。もしもUAEと日本でなにか国家間トラブルが起これば「よーし日本向けの輸出はやーめた!」となっても
(実際にそんなことになる確率はきわめて低いわけですが)UAEは5%の出荷減で小さい被害ですが、日本にとっては痛い
ではすまない。日本の原油備蓄は約86日分ですが、UAEから
入らない原油をそれでカバーしたら備蓄ゼロになってしまいます。
これからは当然産油国との良好な関係は大事ですが、むしろ代替エネルギーの開発(メタンハイドレートなど)や太陽電池の普及
(補助金や減税をつけてでも)燃料電池と真面目に取り組んで
少しづつでよいからエネルギー自給と脱石油を目指すべきです。
個人的には台湾あたりと共同で太陽電池と燃料電池の技術開発、メタンハイドレートの採掘を行えば巧く行きそうな気がします。
シナやアメリカ、韓国との共同開発では主導権争いなどのイヤな
部分の交渉ばかりになってしまい、メタンハイドレートが採れる日本の領海を狭める謀略などに利用されかねない。ですから今後の国益を考えれば台湾と日本との同盟は必須です。先進国2カ国
で1億6千万人の人口の経済圏が出来るのですよ。