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08/29 16:48 査察でもイラク攻撃辞さず 米、新たな中東地図描く 外信45
【ワシントン２９日共同】米ブッシュ政権が、イラクへの国連に
よる大量破壊兵器査察とフセイン政権打倒の目標は無関係だとして
、査察が実施されても軍事攻撃を辞さない姿勢を明確にし始めた。
この方針は欧州やアラブ諸国が主張する「査察実施イコール攻撃中
止」の前提を否定、米国による単独攻撃に大きく道を開く可能性を
秘めている。
チェイニー副大統領は二十六日、「査察団が入っても何の保障に
もならない」と国連査察の効果に懐疑的な見方を強調。別の政府当
局者は二十八日、イラクが査察を受け入れても政権打倒を目指す立
場に変更はないと語った。
こうした発言は、イラクが大量破壊兵器開発を隠ぺいしており、
査察で有効な結果を得るのは困難とする疑念を反映している。また
イラクの政権交代で中東全体の政治的な枠組みを変え、パレスチナ
和平の進展や中東の民主化など諸懸案を好転させようという思惑を
映し出していると言える。
米政府は、イラクが中東過激派を支援しており、政権打倒は有効
な過激派対策になるとみている。過激派が守護役の一つを失うこと
で、イランもけん制され、中東和平も促進されるとの見方だ。共和
党の重鎮キッシンジャー元国務長官は最近「エルサレムへの道はバ
グダッドから開ける」と指摘した。
イラクで民主政権が樹立されれば、サウジアラビアなどでドミノ
式に民主化が促進されるとの期待も強い。大産油国のイラクが親米
民主国家となれば、原油の安定的供給源が確保され、人権問題など
であつれきがあるサウジアラビアに過度の配慮を示す必要もなくな
る。副大統領は演説で政権交代は「危機だけでなく（民主化促進と
いう）機会ももたらす」と強調した。
だが、イラク攻撃に最も理解を示す英国でさえ「（イラクが国連
査察を受け入れれば）問題は終わる」（ストロー外相）との立場。
査察実施にかかわらず攻撃を主張すれば、世界全体が反対の合唱に
包まれる。ベーカー元国務長官など保守穏健派とも摩擦が強まる。
米ジョージタウン大のアンドルー・ベネット助教授は「国際的な
支持なしにイラク攻撃は不可能。国内世論も明確な理由なしの対イ
ラク攻撃には慎重で、政権は難しい対応を迫られるだろう」と話し
ている。
（了） ０２０８２９ １６４７
[2002-08-29-16:48]
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。