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08/24 15:04 アラブ諸国がカタール批判 アルジャジーラ報道に反 外信54
共同
中東のCNNと呼ばれるカタールのアラビア語衛星テレビ、アル
ジャジーラがアラブ諸国の政府や王室を批判的に報道することに各
国が不満を強めている。報道の自由を認めないアラブ各国の体質の
反映だが、批判の矛先は同局に出資するカタール政府にも向けられ
、各国との関係にきしみが生じている。
アルジャジーラは民放だが、一九九六年の開局時にカタール政府
も出資。米中枢同時テロ後にウサマ・ビンラディン氏の声明を放送
し知名度を上げた。官製報道一色のアラブで異色の「客観報道」を
行っている。
しかし、ヨルダンは七日、アルジャジーラがヨルダン王室をおと
しめたとして、アンマン支局の閉鎖などの処分を発表。駐カタール
大使を一時召還した。
処分は、在米パレスチナ人の大学教授が「ヨルダンはイスラエル
と平和条約を結ぶ(九四年)以前から親イスラエル的で、米情報機
関ともつながりがあった」と述べ、故フセイン国王らを批判した番
組が直接の原因となった。
ヨルダンのアドワン情報担当国務相は「ヨルダンを傷つけようと
する意図を継続的に持っている」と非難、いら立ちをあらわにした
。
サウジアラビアは、アルジャジーラにサウジ反体制派が繰り返し
出演し、初代アブドルアジズ国王や現在の指導者、アブドラ皇太子
を批判したことに怒りを隠さない。
サウジ王族らが所有するメディアは「邪悪な陰謀に気づいた視聴
者は、なぜある国が同局に出資しているのか当惑するだろう」とカ
タール政府を批判した。
特にやり玉に挙げられているのは、同局株の35%を所有するハ
マド同国外相。アルジャジーラ問題に加え、七月末にペレス・イス
ラエル外相と会談したため「アラブに不和の種をまき、ユダヤの利
益に奉仕する」と攻撃された。
ハマド外相は誤解を解くためとしてサウジ訪問を打診したが、同
国側は「謝罪以外は認めない」との立場で、打診を黙殺した。湾岸
外交筋はサウジの姿勢について「大使召還やカタールの主催で年内
に開催する湾岸協力会議(GCC)首脳会議への欠席の恐れもある
」とみている。
アルジャジーラのシュリ編集長代理は支局閉鎖などの措置に「過
剰反応」と反発している。「出演者の発言について放送前に指図す
ることはしない」と述べ、多様な意見の紹介を続ける姿勢を強調し
た。
カタール政府は同局を「頭痛の種」と認めるものの、閉局するつ
もりはないとしている。(カイロ共同=小熊宏尚)
(了) 020824 1503
[2002-08-24-15:04]