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【イスラマバード支局】カシミール地方のインド支配地域（ジャム・カシミール州）で２４日、イスラム過激派とみられる武装集団が銃を乱射し、住民計１２人が死亡した。９月から始まる同州議会選挙妨害を狙ったテロ事件とみられる。同州ではイスラム組織がボイコットを呼びかける同選挙をを前に、銃撃事件などが相次いでおり、米国の仲介などで一度は沈静化しつつあったインドとパキスタンの緊張が再び高まる恐れが強まっている。

　ＡＰ通信などによると、武装集団は同州の冬の州都ジャムの北約８５キロの村で３軒の農家に押し入り、男性５人、女性３人を射殺。さらに同日、別の二つの村も襲われ、住民４人が殺害された。

　同州では９月から１０月にかけ州議会選挙が予定されている。インドからの分離・独立をめざすイスラム組織の多くは、住民に投票ボイコットを要求している。

　パキスタンのムシャラフ大統領は今月１４日、独立記念日の演説で、「（同州では）これまでも不正な選挙が行われてきた」と批判。これに対しインドは、パキスタンが選挙妨害を図っていると非難してきた。

　２３日にはパキスタン軍スポークスマンが、パキスタン側カシミールでインド軍の空爆があったと語り、「挑発的な戦闘行為だ」と非難。しかし、インド側は「事実無根だ」と否定するなど、両国間で激しい言葉の応酬が続いている。

　一方、インド側カシミールではイスラム過激派に対する掃討作戦も激化しており、２１日から２２日にかけ、過激派と治安当局の銃撃戦などで過激派１２人、警官４人、市民３人が死亡した。

　印パ仲介のため南アジアを訪問中のアーミテージ米国務副長官は２３日、インドの首都ニューデリーで「選挙に向けさらに暴力行為が起きることを心配している」と述べ、強い懸念を示した。副長官は２４日、パキスタン入りしムシャラフ大統領と会談、カシミール地方でのテロ取り締まりを強化するよう要請する見込みだ。

［毎日新聞８月２４日］ ( 2002-08-24-20:09 )

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