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米ロ、核テロ警戒し高濃縮ウランをユーゴから移送
米国とロシアは22日、ユーゴスラビア当局や国際原子力機関(IAEA)と協力して、ユーゴの首都ベオグラード近郊の原子力研究所から広島型原爆3個分にあたる高濃縮ウラン約50キロを、ロシアへ空輸する電撃作戦を実施した。テロリストなどの手に渡ることを未然に防ぐ措置で、エーブラハム米エネルギー長官が23日、作戦成功を発表した。米は今後、他国でも同様の核物質移送を計画している。
米紙ワシントン・ポストによると、計画は米政府が中心になって1年がかりで立てられた。ユーゴ軍のヘリコプターと重武装兵士1200人が警戒する中、おとりも用意したトラックの車列でベオグラード空港まで運び、ロシア機でロシア・ディミトロフグラードに向け運ばれた。同地で原子力発電所用燃料に加工される。
米政府は今回の移送作戦に200万ドル(約2億4000万円)使うとともに、燃料に転換するロシアに40万ドル以上支払うという。
このウランは、旧ソ連が研究用としてユーゴに提供したもの。以前から、核兵器開発に使われることが懸念されていた。94年に米クリントン政権が旧ソ連のカザフスタンから高濃縮ウラン約600キロを運び出した際は、ロシアがウランの引き取りを拒否し、米国へ空輸された。
エーブラハム長官は声明で「世界の市民への脅威を減らすことができ、核不拡散に向けたお手本になる国際協力だった」と述べた。
AP通信によると、米国務省高官は、米国が旧ソ連の支援を受けていた16カ国24カ所の核関連施設の現状を注視しており、「すべての施設について核物質移送作戦を計画している」と述べた。「我々は特定の国々が核物質を物色していることを承知しており、可能な限りその試みを阻止するつもりだ」とも語った。
(11:52)