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<読売> 田中角栄―毛沢東会談秘話、毛主席が歴史問題提起
【北京23日=浜本良一】1972年9月の日中国交正常化に際
し、両国間で争点になった過去の戦争の問題について、当時、訪中
した田中角栄首相と会見した毛沢東主席が「(日本が中国人に対し
)迷惑をかけた問題はどう解決したのか」と問いかけていたことが
当時の中国側通訳2人の証言で明らかになった。同会見に同席した
二階堂進・官房長官は「会見は政治の話抜きで、終始なごやかな雰
囲気だった」と邦人記者団に発表していたが、実際には生々しいや
りとりがあったことになる。
このほど発売された政府系の日本語雑誌「人民中国」(9月号)
によると、「迷惑をかけた問題」とは、田中首相が訪中初日(9月
25日)夜の歓迎宴のあいさつで、日中間の過去に触れた際に、「
わが国が中国国民に多大のご迷惑をおかけしたことについて、私は
改めて深い反省の念を表明するものであります」と語ったが、「迷
惑をかけた」に当たる中国語「添了麻煩」が軽いおわびの言葉だっ
たことから、中国側から強い不満が出たことを意味している。
2人の通訳によると、9月27日夜の田中首相との会見で過去の
問題を取り上げた毛主席は、「女性の同志が文句を言っている」と
語り、後ろに控えていた英語の通訳、唐聞生さんを指さした。
同席していた大平外相が「これは中国側の意見に従って改め、解
決しました」と毛主席に答えたという。