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【テヘラン小倉孝保】
「米軍のイラク攻撃に協力した国には、生物・化学兵器を使用するようフセイン大統領がすでに軍幹部に命じている」とする報告書がイスラム教シーア派のイラク反体制組織「イラク・イスラム革命最高評議会(SCIRI)」から、米政府に渡っていたことが21日、わかった。SCIRI筋が毎日新聞に明らかにした。反体制派の情報だけに内容の正確度は不明だが、周辺国の脅威になることは確実だ。
今月9日からワシントンで開かれたイラク反体制派会議にSCIRIから、アセトラ・ハキーム議長の弟、アブドルアジズ・ハキーム氏ら数人が出席し、報告書はその際に、米国側に手渡された。
報告書では、イラク政府内の反体制派筋から入手したとするバグダッドを中心とした生物・化学兵器の保存場所が示されているうえフセイン大統領が軍幹部に対し「米軍のイラク攻撃に際して空軍機発着の基地を提供するなど、米軍に協力した国に、生物・化学兵器をすぐ使用せよ」と命令を出しているという。また大統領は、国内の騒乱に対しても、同兵器の使用を許可しているという。
イラクは国内の治安を強化し、情報管理を徹底しているため、最近の反体制派情報の信頼度は低いとされる。また米政府も反体制組織に不信感を持っているとされ、この報告書の内容が、米政府の政策にどの程度影響を与えるかは不明だ。
イラク軍はイラン・イラク戦争(80〜88年)時や湾岸戦争(91年)後に、クルド人がほう起した際に、生物・化学兵器を使用している。イラクはその後、生物・化学兵器を廃棄したと主張しているが、米政府などはイラクが現在も同兵器を開発していると批判している。